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<タリウム事件>精神障害は「軽度」 検察側医師が証言

責任能力を巡る主張(2017年3月)

 名古屋市で高齢女性を殺害し、仙台市で同級生2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとして殺人や殺人未遂などの罪に問われ、名古屋地裁で無期懲役判決を受けた元名古屋大女子学生(22)=仙台市出身=の控訴審公判が7日、名古屋高裁であり、検察側が請求した国立病院機構東尾張病院(名古屋市)名誉院長の舟橋龍秀氏の証人尋問が行われた。
 舟橋氏は起訴前後に元女子学生を鑑定し、一審でも証人出廷した。元女子学生の広汎性発達障害を「軽度」と診断した理由を「偏った興味や他者への共感性の欠如など障害の特徴はあるが、難関大に合格し、自立生活を送っていた。重症度を評価する一般的な診断基準からすると、相対的に正常発達者にかなり近い」と説明した。
 前回公判で弁護側証人として出廷した医師が、劇物や死体に執着した犯行態様から「精神障害は重度」と証言したことに対し、「診断基準は執着する興味の内容を想定しておらず、(証言は)臨床的に当を得ない」と疑問を呈した。
 併発した双極性障害(そううつ病)の影響は「気分が高揚し、犯行衝動を助長した可能性があるが、犯行時の行動は臨機応変で落ち着いていた。重度のそう状態だったとは言えない」と改めて指摘した。
 3月の地裁判決は舟橋氏の見解を全面的に採用し、「精神障害の犯行への影響は限定的」として完全責任能力を認めた。来年1月15日の次回公判で検察、弁護側双方が最終弁論して結審する見通し。


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2017年12月08日金曜日


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