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<Eパーソン>福島産米の復活後押し「安心して営農できる仕組みを」

針生信夫(はりう・のぶお)宮城農高卒。2003年農業生産法人舞台ファームを設立し、社長に就任。仙台市などでコメ、野菜を栽培する。13年アイリスオーヤマと共同出資で舞台アグリイノベーションを立ち上げ、同社社長を兼務。55歳。仙台市出身。

 アイリスオーヤマグループは本年度内に福島県南相馬市小高区の生産法人「紅梅夢ファーム」が作付けした主食用米の販売を始める。小高区は一時、東京電力福島第1原発事故で全域が避難区域となった。風評被害が残る中、コメの買い取りや精米を担う同グループの舞台アグリイノベーション(仙台市)の針生信夫社長に戦略などを聞いた。(聞き手は報道部・高橋公彦)

◎舞台アグリイノベーション・針生信夫社長

 −昨年7月に避難指示が解除された後、初めて植えた主食用米の出来は。
 「今年5月、9ヘクタールの水田に(福島県のオリジナル米の)天のつぶを植えた。主食用米は久しぶりの作付けとなり、天候も不順だったが、収量は上々だった。ファームの皆さんらが昨年から代かきなどの準備を重ねた成果が出ている」

 −ファームのコメを全量を買い取る理由は。
 「コメの買い取り価格は市況で変動するため、農家が安定した利益を得て安心して営農できる仕組みをつくりたいと考えた。価格についてはファームの方から『もっと農地の面積を増やしたい』と思ってもらえるよう努力する」

 −原発事故から6年たっても福島県産農水産物の風評被害はまだ根強い。
 「コメは福島県の放射性物質濃度の全量検査にかけられる。さらに自社工場でも独自の検査を行う。風評被害が自然に消えることはない。科学的根拠や販売力などアイリスグループの強みを生かし、福島県産米の安全性をPRしたい」

 −どう販売していくか。
 「パックご飯での販売を考えている。福島県内のスーパーでは福島産米を応援したい、買い支えたいというムードがあるという。精米したままのコメのニーズもあると聞いている。販売形態は柔軟に対応したい」

 −来年度以降の計画は。
 「小高区と同様の取り組みを福島県浪江町でもできないかどうか検討している。行政の力も借りて第2、第3の成功事例をつくり、復興へとつなげたい。担い手の高齢化といった地域課題にも対応したい」
 「福島は風評被害という見えない魔物から今なおダメージを受けている。アイリスグループが持つ経営の視点を農家のみなさんに取り入れてもらい、もうかる農業にしていく」


関連ページ: 福島 経済

2017年12月09日土曜日


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