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犯罪加害者家族の実態と苦悩に迫る 支援NPO理事長が新書「人ごとではない、家族が通る道知って」

新書で加害者家族が直面する現実を明らかにした阿部さん

 犯罪加害者の家族の支援に取り組む仙台市のNPO法人ワールドオープンハート理事長阿部恭子さん(39)の新書「息子が人を殺しました 加害者家族の真実」(幻冬舎)が出版された。約1000組を支援した経験から、加害者家族の実態や苦悩を初めてつづった。
 家族に実際起こったことをプライバシーに配慮しながら具体的に書いた。家族は誹謗(ひぼう)中傷、集団的過熱取材(メディアスクラム)、多額の損害賠償請求などに直面する。インターネットで名前や住所がさらされ、住まいや会社、学校を追われる。人生が激変し、自殺を考える人もいた。
 一方、当の加害者は服役中で家族の状況を知ることが少ない。阿部さんは「家族への社会的制裁は犯罪の抑止や再犯防止につながらない。加害者の更生に不可欠な役割を全うできるよう導くのが社会の責任ではないか」と強調する。
 2008年の団体設立からの歩みも振り返り、被害者支援と並行して加害者家族を支援する必要性を説く。国内初の試みで、発足時は全国から相談の電話が殺到したという。
 最終章の「犯罪者にしないために家族ができること」では、予兆を逃さず、時間をつくって問題と向き合う大切さを訴える。
 阿部さんは「普通の家庭で犯罪者が出ることもあるし、家族が交通事故の加害者になることもある。誰にとっても人ごとではない。加害者家族が通る道を知ってほしい」と語る。
 189ページ。800円(税別)。


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2017年12月13日水曜日


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