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<回顧17みやぎ>(1)仙台市長選に郡氏初当選/議会との関係手探り

初当選が確実となり、支持者と万歳三唱をする郡氏。戦いの構図は当選後の市議会との関係に尾を引いている=7月23日、仙台市青葉区の事務所

 東日本大震災から7度目の年越しを迎える。復興へと地道な歩みを重ねた2017年。被災地を置き去りにした解散風が吹き、大型選挙が相次いだ。学校現場では再び尊い命が失われ、問題の根深さが浮き彫りとなった。県内であった出来事を記者が振り返る。

 7月23日夜、仙台市長選で当確の一報が届いた青葉区の選挙事務所。民進党衆院議員から転じた郡和子氏は民進、共産、社民各党の県議や市議と喜びを分かち合った。
 戦いには国政与野党の対立構図が持ち込まれた。郡氏は市民団体が中軸を担い、民進、共産、社民、自由の各党が支持・支援。自民、公明両党と日本のこころが支持した新人の会社社長ら3人を破り初当選した。
 野党共闘は勢いづいていた。森友学園、加計学園問題は安倍政権を直撃。直前の東京都議選で自民は歴史的惨敗を喫した。市長選と別次元である政権批判は大きなうねりとなり、郡市長誕生の大きな力になった。
 それは、緊張関係を内包した勝利だった。
 「議会との関係性は、まだ厳しいものが続くであろうと認識している」
 8月の市長就任から100日を過ぎた12月5日の定例記者会見で、郡氏は市長選の構図を念頭に苦悩の一端を吐露した。
 市議会には戦いの残り火がくすぶる。前市長時代は、ほぼオール与党。市長選で当時、郡氏を応援したのは市議55人中19人だけ。郡氏は公約の推進と、議会対策のバランスに苦慮する。
 野党系市長誕生の余波は他市との関係にも及んだ。8月の県市長会。仙台市長が会長を務める慣例が唐突に破られた。10月の東北市長会でも、仙台市長が「あて職」として担う会長選出を見直す方向が決まった。
 表向きは組織の形を模索するというが、「野党系の会長では国に要望が届かない」との声が漏れ聞こえる。「腹にすとんと落ちない」。郡氏は感情を押し殺すように語る。
 波乱含みの100日間を郡氏は振り返る。
 「市長選で応援してもらえなかった(市議の)方々がどんなふうに私を評価するかという段階。理解してもらえる努力をしなければならない」
 今月13日、市議会定例会の代表質疑が始まった。いじめ防止条例制定などを重点公約に掲げる郡氏。議会側との関係を重視して「安全運転」の答弁に終始するのか。新市長のカラーを打ち出すのか。多くの市民が注目している。(報道部・吉田尚史)

[メモ]任期満了に伴う仙台市長選は2期8年務めた奥山恵美子市長の引退表明を受け、無所属新人4人が立候補した。7月23日に投開票され、郡和子氏が次点に1万6459票差の16万5452票を獲得し初当選した。女性市長は奥山氏に続き2人目。奥山氏まで4代続いた行政出身市長の流れが途切れた。


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2017年12月14日木曜日


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