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<黒森神楽>宮古の伝統芸能、ドキュメンタリー映画に 被災地の人々励ます巡業描く

三陸沿岸を巡る黒森神楽を追ったドキュメンタリー映画の一場面(ヴィジュアルフォークロア提供)

 岩手県宮古市山口の黒森神社に伝わる国の重要無形民俗文化財「黒森神楽」を題材にしたドキュメンタリー映画「廻(まわ)り神楽」の上映が、16日に盛岡市で始まる。東日本大震災から6年がたった三陸沿岸での神楽巡行に密着した。大災害を乗り越えた伝統芸能が人々の暮らしを励ます様子を描き出す。

 黒森神楽は「権現様」と呼ばれる獅子頭を携えた神楽衆が沿岸集落を巡り、玄関先で舞う「門(かど)打ち」を行い、権現様が一晩を過ごす民家「神楽宿」でも舞を披露する。震災で神楽衆や巡行先の多くが被災したが、途切れることなく続いている。
 映画は映像製作会社「ヴィジュアルフォークロア」(東京)所属の遠藤協(かのう)さん(37)と大沢未来さん(36)が共同監督を務めた。宮古市で震災の被災状況や復旧状況を記録する事業に携わる中で、製作を思い立ったという。
 今年の巡行に密着して撮影。津波犠牲者の七回忌を弔う神楽念仏や高台に建てた住宅の新築祝いの舞、防潮堤建設のため取り壊される住宅での最後の門打ちなどを記録した。
 遠藤さんは「伝統芸能と共に災害から立ち上がってきた人々の姿と神楽の奥深さを感じてほしい」と話す。
 「盛岡ルミエール」で上映し、16日午前10時の初回には大沢監督の舞台あいさつもある。来年1月20日からは東京の「ポレポレ東中野」でも上映される。

[黒森神楽]集落や民家で舞を披露する神楽巡行は毎年1〜3月、久慈市に向かう北回りと、釜石市に向かう南回りを隔年で実施。340年以上の歴史があるとされ、神社に伝わる獅子頭は約700年前の制作と推定される。


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2017年12月14日木曜日


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