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<福島首長に聞く>帰還向け住環境整備

東京電力の社員寮が立ち並ぶ大川原地区。特例で約750人が暮らすなど居住環境は整っている(写真は一部加工しています)

◎原発被災地の行方/大熊町 渡辺利綱町長

 −東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、JR大野駅を中心にした地域が11月、国の特定復興再生拠点区域(復興拠点)に認定された。目標の2022年春までの避難指示解除へ、どう復興させる。
 「(放射線量が高くない)居住制限区域の大川原地区は、復興の中心的役割を担う。役場新庁舎、災害公営住宅、商業施設の整備を進めており、幼小中一貫校の開校も目指す」
 「認定された復興拠点は大川原地区と連動させ、(除染廃棄物を保管する)中間貯蔵施設の建設で古里を離れた町民らの住宅地整備や、第1原発の廃炉関連などの企業誘致に取り組む。休止中の県立大野病院は入院に対応できる2次医療の拠点に位置付けたい」

<特例で750人居住>
 −大野駅周辺はJR常磐線の全線再開に合わせ、先行して20年3月までの避難指示解除を目指す。
 「傷んだ家屋の解体希望が多いとみられ、不動産の活用を考えなければいけない。病院と駅に集まる人に対応できる仕組みも必要。旧役場庁舎は空調などが壊れて再利用は厳しく、建物をどうするかは検討中だ」

 −27年の居住人口の目標を2600に設定した。
 「大川原地区には廃炉関連企業や特例で750人が暮らす東電社員寮が立地する。既に2000人余が働いたり住んだりしており、目標は過大ではない。役場機能が戻り、帰還希望者が増えることを期待する」
 「住宅だけでは駄目。スポーツや温浴、文化関係の施設など、さまざまな要望がある。住みたいと思える環境、魅力ある町をつくらないといけない」

<不公平感なくす>
 −課題は。
 「復興拠点から外れた地域への対応が必要。帰還困難区域の中長期復興構想は、中間貯蔵施設用地を除き居住可能な地域に戻すことを掲げた。町民が不公平感を抱かないよう、復興拠点を拡大する形で進める」
 「生活再建の場を町外に築いた町民への支援も課題になる。町民生活をどう守るか。国の支援が少なくなるこれからが正念場だ」

 −町の第2次復興計画で大川原地区を「住める環境」にするとした18年度は、間近に迫っている。
 「インフラ整備や造成工事は順調。来年3月に6回目の特例宿泊を実施したい。長期滞在が可能な準備宿泊は4月ごろが妥当と考えている。避難指示は遅くとも(19年3月までに完成予定の)役場新庁舎で業務を再開するまでには解除したい。町議会や国と協議して日程を決める」

 −双葉郡の他町村との合併に対する考えは。
 「将来の視野に入れなければいけないが、今は各町村がそれぞれの可能性を考え、全体として連携できればいいと思う。自身の町村をまとめるだけでも大変。合併議論は時期尚早だ」(聞き手は会津若松支局・跡部裕史)


2017年12月14日木曜日


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