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気仙沼に計画していた防潮堤建設を断念 宮城県、地元反対根強く

防潮堤建設の計画が見直された宮城県気仙沼市港町

 宮城県は14日、気仙沼市港町に建設予定の海抜5.0メートル、長さ460メートルの防潮堤に関する住民説明会を同市魚市場で開き、現地に防潮堤を造らない方針を明らかにした。地元の反対が根強く、当初の計画を事実上断念。接続する予定だった防潮堤を山側に伸ばす代替案を示し、住民に了承された。
 県の当初計画は数十年から百数十年に1度発生が予想される津波に対応できる見た目の高さ3.2メートルの防潮堤を、臨港道路と岸壁の間に造る予定だった。
 新計画は、接続を予定した魚市場前の防潮堤(海抜5.0メートル、長さ約1.3キロ)の先端を西部の山側まで伸ばし、津波の流入を抑える。延伸距離は約180メートルを見込む。
 車両が通行できる陸こう(防潮堤出入り口)を2カ所設け、閉鎖した陸こうを乗り越える道路も整備。2020年度末までの完成を目指し、総事業費は約10億円。当初計画の約25億円は大きく下回る。
 当初の建設予定地は漁船の出入りを間近に望める観光スポット。地元の住民組織がアンケートを取った結果、景観への悪影響などを理由に反対が9割以上を占めた。
 県は地元の反発が強いため、現状の計画では国の復興・創生期間が終わる2020年度までの整備が難しいと判断。代替案を検討してきた。県は説明会で、社会情勢の変化や地元の要望があれば、当初計画を進めることもあり得るとした。
 県農林水産部の梅本和彦次長は「防潮堤はいらないという地元の意見が大半だった。(変更案は)考えられる最善の策」と話した。
 県が2年8カ月ぶりに開いた説明会には漁業関係者や地元の事業者ら約30人が参加した。


2017年12月15日金曜日


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