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<キリン>東北のクラフトビールメーカーと連携強化 ホップ産地と市場の振興図る

東北魂ビールの共同醸造で材料の配合を議論するクラフトビールメーカーとスプリングバレーブルワリーの担当者ら=11月、岩手県遠野市の上閉伊酒造

 キリンビール(東京)が東北のクラフトビールメーカーとの連携強化を図っている。同社専用の東北産ホップを販売し、新商品の共同醸造や技術交流にも乗り出した。伸長する東北のクラフトビール業界で存在感を高め、原料のホップ産地と市場の活性化を目指す。
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 キリンビールは、約50年前から独自開発したホップを岩手県遠野市など東北各地で栽培してきた。ホップは東北産が国産の約95%を占めているが、ほとんどが同社をはじめとする大手メーカーの契約栽培。東北のクラフトビールメーカーが入手することは困難だった。
 昨年、キリンビールは自社ホップ「IBUKI(いぶき)」の販売に踏み切った。これで、東北のクラフトビールメーカーも地元産ホップを使って醸造することが可能になった。
 東北のホップ農家は後継者不足が喫緊の課題。将来的に収量が減り、大手でも入手が困難になることが想定される。クラフトビールメーカーも顧客に加えることで東北産ホップの需要を増やし、生産地を活気づける狙いがある。
 東北のクラフトビール市場は年々拡大している。東京商工リサーチ(東京)の調査では、今年1〜8月の全国のクラフトビールメーカー出荷量は前年同期に比べ0.7%減ったが、東北は6.0%増えた。
 東日本大震災後、被災地応援としての購入などが契機となって品質の高さが全国で認められ、売り上げが伸び続けているという。
 キリンビールは2015年、クラフトビール製造販売の子会社スプリングバレーブルワリー(東京)を設立。両社は今年11月、東北のクラフトビールメーカーが震災後に共同醸造している「東北魂ビール」の仕込みに、アドバイス役として初めて参加した。
 東北魂ビールに参画しているいわて蔵ビール(一関市)の佐藤航社長は「これまでは経験則で醸造してきたが、大手の理論に基づく技術を学べて貴重な経験だった」と話した。
 東北のクラフトビールメーカーとの連携が進み、ヒット商品などが誕生して市場が刺激されればキリンビールにとってもメリットはある。同社仙台工場の横山昌人工場長は「東北の事業者と連携して市場全体を盛り上げ、ビール離れした消費者を取り戻したい」と語る。


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2017年12月15日金曜日


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