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<杜の都のチャレン人>長い冬を暮らす知恵分かち合い 素材の物語届けたい

ワークショップ参加者と話す菅原さん(右から2人目)と逸見さん(同3人目)。逸見さんが手にする麦が、後ろに見えるヒンメリなどの材料になる=11月28日、仙台市青葉区のリトルホーム

◎寒い地域の手仕事を伝える「Branch」メンバー 菅原裕美さん(41)

 麦わらで作るフィンランドの伝統装飾「ヒンメリ」や、ドイツ発祥の星形のオーナメント「ストロースター」。稲わら細工に山ぶどうのつるの小物、シラカバ樹皮のアクセサリー…。自然素材を使ったワークショップは、寒い国や地域の手仕事がテーマだ。
 「その地域の暮らしや素材について伝え、おしゃべりしながら一緒に手を動かす。そんな時間を楽しめたら」と言う。
 依頼に応じ月2、3回、短大時代からの友人逸見(へんみ)由佳さん(41)=仙台市青葉区=と共に、「Branch(ブランチ)」の名であちこちへ。「春を待ちわびながら長い冬を暮らす知恵」を分かち合う参加者は、3歳から80代まで幅広い。
 長年勤めた会社を辞め、好きな「作ること」を生かす道を模索していた3年ほど前、学びと体験の場づくりを志しワークショップのノウハウを学んだ逸見さんに誘われてBranchを結成した。2人で手掛けるさまざまな活動の中で、手仕事関連を担当する。
 用意する素材は、国産、できれば地元産を、と2人で探したものがほとんど。中でもヒンメリなどに使う麦わらへの思いは深い。東日本大震災の津波被害を受けた仙台市沿岸部の農地で育てられた六条大麦「春来」。塩害に比較的強く、被災後初めての作物として植えられた「復活の象徴」だ。
 昨年、今年と生産者から譲り受けたが、2人の労力は膨大だ。手で刈り取り、天日干しを繰り返す。かびや虫に悩まされ、太さも長さもまちまち。実際に使えるのは1〜2割にすぎない。「でも、そういう話をすると、色や太さのばらつきも個性と捉えて大事に使ってくれるんです」とほほ笑む。
 折れたり割れたり、自然素材は簡単には思い通りにならない。「強すぎず、弱すぎず」。現代人が忘れてしまった力加減も一緒に伝えている。(ま)

[すがわら・ひろみ]76年仙台市生まれ、仙台白百合短大(現在は仙台白百合女子大)卒。宮城野区在住。Branchは、ワークショップのコーディネートや子ども向けイベントも手掛け、主に逸見さんが担当する。


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2017年12月16日土曜日


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