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飛び込み分娩、後絶たず…東北大病院と医療機関が連携、妊婦紹介に新制度「まず連絡を」

クリニックからの電話を受ける東北大病院産科の医師

 妊婦健診を受けていない女性が、陣痛や破水で医療機関に突然駆け込んで出産する「未受診・飛び込み分娩(ぶんべん)」が宮城県内で後を絶たない。飛び込み分娩は親の病気や胎児の週数が分からず、必要な治療が遅れるため、母子ともにリスクが非常に高い。医療関係者は「妊娠に気付いたら医療機関や行政に連絡するか、少なくとも身近な人に知らせてほしい」と呼び掛ける。
 今年秋、買い物途中で腹痛を起こした女性が東北大病院に運ばれた。到着時、妊娠7カ月相当の胎児の心拍は既になかった。常位胎盤早期剥離だった。女性は感染症にもかかっていたが「妊娠に気付かなかった」と話したという。
 斎藤昌利産科長は「もっと早くから受診していれば赤ちゃんは助かったかもしれないし、女性の感染症の治療もできた」と振り返る。
 県産婦人科医会の委託で東北大病院がまとめた10年間の飛び込み分娩の推移はグラフの通り。年間20〜45件で、このうち死産・早期新生児死亡が1〜5件。今年は11月末までに22件で、うち死産は3件とリスクの高さがうかがえる。
 年齢別では、24歳以下の初産婦が10人、30〜34歳の経産婦が6人と多い。前者は周囲に相談できないまま週数がたち、親も子どもの体の変化を見逃していたというケースがほとんど。後者は「お金と時間がない」「上の子を預ける場所がない」などの理由で、健診を受けなかったという。
 大学病院産科は昨年7月、妊婦健診を行う県内全ての産婦人科施設に対し、未受診妊婦が来たら大学病院か仙台赤十字病院(仙台市太白区)に連絡し、受診可能な病院をコーディネートするシステムを全国に先駆けて開始した。今年4月には保健所にも通知した。
 その結果、23人が受診につながった。システムがなければ、今年の飛び込み分娩はさらに増えたとみられる。
 斎藤科長は「最初に訪れた病院で断られてしまい、その後医療機関に行けなくなる未受診妊婦も多かった。経済的なサポートや出産後の対応などをアドバイスできるので、まずどこかにコンタクトしてほしい」と話す。


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2017年12月17日日曜日


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