宮城のニュース

外国人技能実習生が不法残留 「働きたい実習生」と「働かせたい企業」の利害一致、制度を悪用

 外国人技能実習生として来日した中国人の男2人が11月、在留期限後に不法残留した入管難民法違反容疑で宮城県警に逮捕された。アパート建設現場などで働き、実習生時代の数倍の給料を得ていたという。人手不足に悩む企業と、高い賃金を得たい実習生の利害の一致が背景にある。県内の実習生はここ数年で大幅に増加し、不法就労目的とみられる失踪も増えている。(報道部・千葉淳一)
 県警は11月、不法残留の実習生2人を含む20〜30代の中国人の男3人と、不法就労を知りながら建設現場に派遣した大崎市古川の内装業の50代の男を逮捕した。内装業の男は中国の会員制交流サイト(SNS)に求人広告を出し、3人を採用。うち2人が技能実習生として来日した。
 中国人3人の中には、不法滞在で働ける上、条件もよい職場などの情報を、SNSを通じて仲間から得ていた者もいた。
 宮城労働局によると、県内の技能実習生は2016年10月末時点で2234人と、12年10月末の604人に比べ4倍近く増えた。介護など受け入れ可能な分野も増え、国の実習制度監視機関の外国人技能実習機構(東京)は「増加傾向は今後も続く」とみる。
 これに伴い、実習生が派遣先から失踪するケースも増えている。17年11月末現在、県警には91人の届け出があり、16年1年間の61人を既に上回る。企業に実習生を仲介する県内の監理団体は「制度を悪用して入国し、計画的に姿をくらます例もある」と話す。
 地方の建設現場は近年、20年東京五輪の準備が進む首都圏に人材を取られ、労働力不足が続く。実習生制度は開発途上国・地域の人材育成が主な目的だが、制度を悪用して稼ぎのよい日本で働きたい外国人と、違法な形でも労働力を確保したい企業の利害の一致が、制度を犯罪の温床にしている。
 捜査関係者は「問題が発覚すれば工期の遅れなど大きな影響が出る。不正を見過ごすことは結局、天につばする行為だ」と企業側に警告する。


関連ページ: 宮城 社会

2017年12月17日日曜日


先頭に戻る