宮城のニュース

<東京五輪>宮城・栗原のホッケー合宿地、豪チームが敬遠 他国誘致へ

競技場を視察するオーストラリアホッケー協会の幹部。市は他国の誘致に望みをつなぐ=2016年12月

 2020年東京五輪ホッケー競技オーストラリア代表の事前合宿誘致を目指してきた栗原市が、方針転換を迫られている。同国のホッケー協会から別自治体を選ぶとの連絡があり、他国の招致を目指さざるを得なくなった。豪側が敬遠した背景には、市の合宿所予定施設の人工芝が東京五輪競技場のものと別メーカーだったことが挙げられている。市の担当者は「アクセスの良さなどをPRして挽回する」と話す。
 市によると豪側から10月、「合宿地は栗原以外の2カ所を検討しており、その他を選ぶ予定はない」とのメールが届いた。理由の一つに、人工芝のメーカーの違いが指摘されたという。
 市が合宿所として予定している築館多目的競技場の人工芝は、アメリカのアストロターフ社製。1992年バルセロナ、96年アトランタなどで採用された。
 一方、東京五輪では2016年リオで使われたドイツのポリタン社製が採用されることになった。日本ホッケー協会(東京)によると、国際ホッケー連盟とサプライヤー契約を結ぶ同社が、都に人工芝の寄付を申し出たためという。
 アストロターフ社製の材質はナイロンで、競技前にまく水を含むことで軟らかくなる。一方のポリタン社製は材質がポリエチレンで水を含まず、最初から柔軟と言われている。ボールの回転や接地時の足の感覚に敏感なプロ選手を擁する豪側にとって、人工芝の違いがハードルになったとみられる。
 市は13年、10年以上の使用に伴い傷んだ築館競技場の人工芝を更新した。再度の張り替えとなれば億単位の費用がかかるため、改修は容易ではないという。
 同協会の中村康夫専務理事は「各国ともメダル獲得に必死。少しの環境変化も排したかったのだろう。栗原市は更新タイミングで不運な面があった」と話す。
 ただ、山間部など郊外に競技場を抱える競合自治体が多い中、築館競技場は新幹線駅や病院が近い市中心部に位置する。人工芝も国内最高位となる協会認定のグローバル規格を取得しており、「他国を呼ぶ材料は十分」(関係者)という。
 同市は五輪女子代表の三橋亜記選手を輩出するなど「ホッケーの街」として知られる。市の担当者は「関係者の期待も大きい。さまざまなメリットを各国にPRし、誘致に結び付けたい」としている。


関連ページ: 宮城 政治・行政

2017年12月18日月曜日


先頭に戻る