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被災の特養老人ホーム「不老園」高台で再出発 地域の福祉拠点目指す

高台に再建された不老園

 東日本大震災で被災した宮城県東松島市の特別養護老人ホーム「不老園」と関連施設が、同市の防災集団移転団地「野蒜ケ丘」(野蒜北部丘陵)地区に再建された。災害に備えた海抜20メートル以上の高台で、地域福祉の拠点となることを目指す。
 不老園は鳴瀬デイサービスセンターを併設する。木造2階で延べ床面積約4000平方メートル。ユニット型個室や機能回復訓練室、医務室、浴室、調理室などを備える。震災前から関係者が手を合わせてきた物故者の位牌(いはい)も置く。
 同じ敷地内のグループホーム「やすらぎ」は木造平屋で約780平方メートル。
 今年2月に着工、11月下旬に完成した。総工費は約15億8600万円で災害復旧に関する国の補助金を充てた。
 社会福祉法人やすらぎ会が各施設を運営する。定員は不老園60人(内訳は長期50人、短期10人)、やすらぎ18人。現在の職員は約25人でマンパワーが不足しており、看護や介護、調理の各職員を募っている。
 やすらぎ会は1976年設立。海に近い東名地区で不老園やデイサービスセンター、グループホームを開所した。震災では施設が全壊し、入所者と利用者計67人、職員11人が死亡・行方不明となった。2011年10月から同市の牛網地区の仮設施設で、グループホームなどを運営してきた。
 東名地区の跡地に建てられた慰霊塔は、野蒜ケ丘の敷地内へ移される予定。
 震災当時に施設長だった同会の平野耕三顧問は「人の命を預かっている。毎日を無事に過ごしてほしい」と話す。
 同会の亀井文行理事長は「被災した地域の皆さまや在宅福祉サービスのニーズに応えながら、少しでも恩返しがしたい」と誓う。
 渥美巌市長は「スタッフを早く充実させて、施設を全部活用できるのが望ましい。素晴らしい環境を生かし、さらに高齢者に愛されるよう祈念する」と語る。


2017年12月18日月曜日


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