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<青森県>またしても…「命短し」返上せよ!地元の取り組み正念場

青森市内のラーメン店で塩分量の調査をする県食生活改善推進員連絡協議会の山谷会長(右)=2017年12月6日
動画で生活習慣の重要性を説く中路特任教授。ウェブサイト「ファミリー・ヘルス・ラボ」上で閲覧できる(ベネッセ提供)

 厚生労働省の「2015年都道府県別生命表」(13日発表)で、またしても青森県の平均寿命が全国最下位だった。塩分摂取量や高い喫煙率が要因とされ、県民の生活習慣改善は重要課題の一つ。次回の発表は5年後。「短命県」の汚名返上へ産官学民挙げての取り組みが正念場を迎える。(青森総局・横川琴実)
 国民生活基礎調査などによると、青森県民1人当たりの塩分摂取量(16年)は男性11.3グラム、女性9.7グラムで、全国平均(男性10.8グラム、女性9.2グラム)を上回る。
 「とても甘いか、しょっぱいかのどちらか…」。主婦らでつくる県食生活改善推進員連絡協議会の山谷詠子会長(61)は、県民の料理の味付けの傾向を指摘する。
 県や協議会は4年前から、だしを使った減塩運動「だし活」を展開。健康講話や料理教室で、みそ汁の塩分を実際に参加者に測定してもらうなどしている。普段から食品のラベルを見て、塩分量を確認する習慣も身に付けてほしいからだ。
 本年度からは県内の大学や飲食店を対象に、ラーメンやそばといった麺料理の塩分量調査を始めた。5年がかりで延べ500店舗。結果は店舗に渡す。
 山谷会長は「青森のラーメン文化を否定するわけではない。塩分の多いものを摂取した後は、塩分の少ないものを食べるといった意識が広まればいい」と調査の意義を説明し、その効果に期待する。
 県民の喫煙率(16年)も男性33.6%、女性11.5%で、全国平均(男性31.1%、女性9.5%)より高い。男性は減少しているが、女性は6年前と比べると増加している。
 妊婦の喫煙率が県平均よりも高い下北地方では、県むつ保健所が管内の飲食店や事業所での分煙や禁煙を推奨。今年5月から週末のランチタイムを禁煙とした飲食店(むつ市)は「当初は客が減るのではないかと心配したが変わらなかった」と好意的に振り返る。
 弘前大とベネッセコーポレーションは昨年、むつ市や黒石市の小中学校で健康教育プログラムを始めた。ベネッセが生活習慣チェックシートやウェブ用動画などの教材を制作。ベネッセの担当者は「『1日の運動を増やす』など、家族の健康宣言をつくる宿題を設定することで、子どもだけではなく、親の世代も巻き込むことができている」と手応えを感じている。
 弘前大大学院医学研究科の中路重之特任教授は「平均寿命が長い長野県も、青森と同様に雪深い場所で医師不足に悩んでいる。健康への意識の違いが寿命の違いを生んでいると考えられる」とした上で、「取り組みを県内全域に広げたい」と強調する。

[青森県の平均寿命]2015年は男性が78.67歳で1975年から9回連続、女性は85.93歳で95年から5回連続で最下位。40〜60代の死亡率が高く、平均寿命を押し下げる一因とされている。弘前大などによると、全国の平均寿命が短い上位100市区町村(2010年)に、青森県の全40市町村のうち、男性は38市町村、女性は19市町村が入っている。


関連ページ: 青森 社会

2017年12月18日月曜日


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