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<この人このまち>マタギ見習い 汗かき歩き経験生かす

橋本明賢(はしもと・あきよし)1987年福井県鯖江市生まれ。早大大学院創造理工学研究科(建築学専攻)修士課程修了。

 秋田県湯沢市秋ノ宮地区でマタギ修業中の橋本明賢さん(30)はクマ駆除のほか、カモやヤマドリ、ウサギなどの狩猟、アユ釣りや山菜採りを通して自然との共生を体現する。マタギを志した経緯や、クマが人里を脅かす現状への考えなどを聞いた。(横手支局・目黒光彦)

◎マタギ見習い 橋本明賢さん/狩猟や釣り、山菜採り通じ自然との共生体現

 −マタギを目指したきっかけは。
 「大学院を修了した2013年の秋、自分の力で捕った肉を食べてみたいと本能的に思い狩猟免許を取りました。ちょうどそのころ、友人からマタギの師匠となる菅詔悦さん(73)のことを教えてもらいました。弟子入りしたのは14年2月です」

 −湯沢市の湯ノ岱マタギは集団で行動せず1人で山に入ります。怖くはありませんか。
 「怖かったのは一度だけ、今年4月にクマと1対1で遭遇した時です。普通は黙ってじっとしてさえいれば、クマの方から逃げていくものです」

 −やりがいを感じるのはどんな時でしょう。
 「ウサギを撃つ時に足跡を見分け、回り込んでから仕留めるなど経験をうまく生かせた時です」

 −山での活動で大変なことは。
 「足場の悪い雪山での活動です。ひたすら歩き続けるため、厳寒なのに顔から塩が吹くほど汗をかくこともあります」

 −修業を始める前に予想したことと違った点は。
 「マタギの仕事は特別な時だけにするものではなく、日常生活の一部であることです。山で活動を始めてから分かったことでした」

 −マタギの立場から、クマが人間の集落に出没するケースが増えている現状をどう考えますか。
 「クマの数が増え、餌場を求めて人里に下りてきているのだと思います。クマは賢く、学習するので、このような状態は今後も続く恐れがあり心配です」
 「クマの目撃が増えている理由の一つに、マタギが減っていることも関係していると感じています。マタギを目指す若手が増えるような環境づくりも大切になってくると思います」

 −山で活動する以外の仕事はありますか。
 「マタギの修業は主に日が昇っている早朝から昼すぎまで。夕方からは横手市の学習塾で講師として中高生に英語、数学、理科を教えています。塾ではマタギの仕事の話をする機会はあまりないですね」


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2017年12月18日月曜日


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