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<福島大>原発事故後の農業再生学ぶ 県全体をキャンパスに 実習地域に9市町村

 福島大は、福島市内に2019年度開設予定の食農学類(仮称)で20年度に始める現地実習「農学実践型教育プログラム」の実施地域を郡山市、猪苗代町など県内9市町村に決めた。学生は東京電力福島第1原発事故後の農業再生や農産物ブランド化といった課題に挑み、地域活性化につなげる。
 9市町村とテーマ案は図の通り。公募で選んだ6市町村のうち金山、南会津両町は集中講義など短期プログラムを想定。いずれも2、3年生を対象に開講する。
 公募の一つ、郡山市ではワインを核にした地域活性化に取り組む。「ふくしま逢瀬ワイナリー」や農家民宿と協力し、地元食材を使った料理開発に挑戦。猪苗代町では学生たちが集落営農組織と共に、そばやコメなどを生かした地域のブランド化や農業体験ツアーの企画を担う。
 南相馬市はタマネギなど収益の上がる作物の研究を計画。西郷村は家畜改良センターや来年開設の産直施設との連携を模索する。
 金山町では木質バイオマスなど森林を生かした農業体験実習を実施。南会津町では特産のアスパラガスなど園芸作物の品種改良や収量アップに協力する。
 公募以外では、福島市は現在の学生が県産米の価値向上を目指して取り組んでいる「おかわり農園プロジェクト」を発展的に継続。
 あんぽ柿が特産の伊達市では原発事故の風評払拭(ふっしょく)などをテーマに調査し、飯舘村では花栽培などが始まっている現状を踏まえ営農再開の方策を探る。
 いずれも構想段階で、具体的な実習内容は各自治体と協議して決める。郡山市は「県内初の農学部。熱意のある学生ばかりではないか」、金山町は「学生の柔軟な発想を地域に取り入れたい」と期待する。
 食農学類の設置準備室の荒井聡副室長は「(各自治体の)地域農業を活性化したいと思いは共通する。県内全域がキャンパスと考えている」と話した。


2017年12月18日月曜日


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