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SNSが結んだ写真と俳句 仙台と千葉のシニアが共作「一人ではできない面白いことができた」

写真俳句集を手に「蓼さんの句が写真を撮る原動力になりました」と話す今野さん

 シニア向けの会員制交流サイト(SNS)をきっかけに、仙台市の男性と千葉県の女性が趣味の写真と俳句でコラボレーションし、写真俳句集「空と水と大地の詩」を出版した。病気や家族の介護を経験した二人が自然のひとこまに寄せて紡いだ作品に、読者から「命の鼓動が伝わる」などの感想が届いている。
 作者は仙台市泉区の今野響児さん(67)と千葉県在住の蓼(たで)みちさん(80)。
 今野さんは2011年5月、撮りためていた野鳥の写真をサイトに投稿し始めた。それにコメントを寄せたのが蓼さんだった。肺がんを手術し、こもりがちな蓼さんの様子を案じた娘が薦めたサイトでの出会いだった。
 11年秋、仙台市・秋保の小さな滝の写真に、いつもの感想ではなく俳句が書き込まれた。
 <ジャコメッティの彫刻のごと秋の滝>
 「強烈だった。ジャコメッティって何だろうと思った」と今野さん。流れ落ちる滝が、蓼さんには余計な一切をそぎ落とした作家の作品に見えた。「天から降りてくるように句が生まれた」という。
 こうして始まった共作は6年間で約2200点。その中から151点を本に収録した。
 母を25年間介護した今野さんは、命や死を思わせる枯れた草花も題材にした。蓼さんが<生きるとは枯るゝ事やも艶(あで)やかに>と応えた。「句を添えられると、写真が生き生きと膨らむ気がした」と今野さんは言う。
 蓼さんは「写真のおかげで、東北の奥深い所にも雪降る土地にも、居ながらにして連れて行ってもらった」と感謝する。
 二人は「思いがけず人生の足跡を残せた。SNSを通じ、一人ではできない面白いことができた。同世代の励みになればうれしい」と話す。
 A4変型判112ページ、1944円。連絡先は日本写真企画03(3551)2643。


今野さんのインタビューをご覧になれます。
http://www.kahoku.co.jp/movie/


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2017年12月20日水曜日


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