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<石巻3人殺傷>再審請求「判決、事件像と異なる」弁護団が新証拠を提出

記者会見する千葉死刑囚の弁護団=20日夜、仙台市青葉区の仙台弁護士会館

 石巻市で2010年に起きた3人殺傷事件で、殺人罪などで死刑判決が確定した元解体工の千葉祐太郎死刑囚(26)=事件当時(18)=の再審を請求した弁護団が20日、仙台市内で記者会見し、犯行の計画性や残虐性を否定する鑑定書、供述調書など104の新証拠を仙台地裁に提出したことを明らかにした。
 新証拠は情動に駆られて意識障害に陥り、突発的に犯行に及んだ可能性を指摘する精神科医の鑑定書のほか、共犯の男=同(17)、殺人ほう助罪などで有罪確定=が事件に計画性がない旨を記した被害者宛ての手紙、確定判決が残虐性や執拗(しつよう)性を認定する根拠とした目撃証言の変遷を示す捜査段階の供述調書など。
 草場裕之主任弁護人は「判決は強固な殺意に基づく計画的で残忍な犯行と認定したが、実際の事件像と違う。結果の重大性とは別に、死刑を判断する上での重要な要素に事実誤認があることを、本人は納得していない」と説明した。
 18日に千葉死刑囚と接見した増田祥弁護士は「『確定判決のような事件像で死刑が執行されるなら、冷静でいられる自信がない』と話していた。本人は死刑を受け入れる気持ちがあると同時に、犯した事実を正しく残してほしいという思いも強くある」と語った。
 16年6月の最高裁判決は計画性を認定し「事件の態様は冷酷、残忍で、当時18歳の少年であっても深い犯罪性に根差した犯行だった」と判断。09年に始まった裁判員裁判で初となる事件当時少年の死刑判決が確定した。
 確定判決によると、千葉死刑囚は10年2月10日朝、共犯の男と石巻市の交際相手の女性=同(18)=の実家に押し入り、交際に反対した女性の姉南部美沙さん=同(20)=と友人の大森実可子さん=同(18)=を牛刀で刺殺。居合わせた南部さんの知人男性=同(20)=にも大けがをさせ、女性を車で連れ去った。
 大森さんの遺族は「向こう(千葉死刑囚)の話。こちらから申し上げることはありません」と話した。
 日弁連は20日、千葉死刑囚の実名報道を控えるよう、各報道機関に要望する会長声明を出した。


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2017年12月21日木曜日


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