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<相馬市長選>「ポスト復興」焦点に 24日投開票、現新一騎打ち

観光再建の途上にある松川浦周辺。宿泊ニーズの創出が不可欠だ

 任期満了に伴う福島県相馬市長選は24日の投開票に向け、現職と新人の2人の舌戦が続く。東日本大震災からの復旧が進んだ地域は、両陣営も意識する「ポスト復興」が課題。人口減に歯止めをかける子育て支援、津波で打撃を受けた観光再生などをどう進めるか。市民は期待を持って注視する。(南相馬支局・斎藤秀之)
 立候補者はともに無所属で、5選を目指す現職立谷秀清氏(66)=自民・公明推薦=と、新人の元市議荒川五郎氏(69)。2013年の前回と同じ顔触れだ。
 相馬市沿岸部は津波に襲われて458人が死亡。被災建物は5000棟を超え、1000戸以上の仮設住宅が整備された。災害公営住宅は福島県内で最速となる15年に全て完成。被災者の仮設暮らしは実質的に解消されている。
 両陣営の主張はこうした現状を反映。「給食無料化」(立谷氏)「学外活動指導者の育成」(荒川氏)など、子育て・教育といったソフト事業にも力点を置く。
 相馬市の人口は約3万5000。ピーク時を9000人ほど下回り、40年に3万人を割り込むとの予測もある。震災からの再生、市勢の維持には子育て世代の定着が欠かせない。
 震災に伴う移住や世帯分離で、子育て支援のニーズが高まった地域もあるといわれる。市民団体関係者は「地域に定着するか否かは幼少体験が左右する。ハード整備にとどまらず、長期的視点で教育問題に取り組んでほしい」と望む。
 交流人口の拡大も重要課題だ。松川浦を抱える相馬市は年100万人が訪れる観光都市だった。貴重な景観資源は津波で壊され、売り物だった地元の海産物も安定供給のめどは立たない。かつてのような誘客は難しい。
 40軒近くあった松川浦周辺の宿泊施設は、既に4割ほどが廃業した。除染作業員による特需は昨年暮れに終わり、再建を果たした業者も今後の集客に不安を隠せない。
 業界関係者らは震災後、「スポーツ観光」を推進。サッカー大会の誘致などで宿泊ニーズを生み出してきた。首都圏の高校に合宿先として選ばれるなど、徐々に成果が出ているという。
 宿泊業者でつくる松川浦観光振興グループの管野貴拓事務局長(41)は「以前のような環境に戻るのは困難。生涯教育の素材など、市とも協力して新たな観光コンテンツを育てたい」と話した。


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2017年12月21日木曜日


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