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<昭和国鉄の名残>さよならあの日の雄姿 電気機関車「ED14形」が解体へ

国鉄時代のぶどう色を再現したED14形=2016年9月、彦根市

 昭和期に国鉄(現JR)仙山線などで活躍した直流電気機関車ED14形4両が老朽化のため解体される。所有する近江鉄道(滋賀県彦根市)が今月発表した。4両は蒸気機関車の次世代を担うため90年前に導入され、鉄道の近代化に貢献した。宮城県内の鉄道ファンから「1両だけでも保存できないか」と求める声が上がっている。

 仙山線は1937年、仙台−山形間で全線開通。5キロを超える仙山トンネル内で蒸気機関車の煙が充満して運転士らに危険が及ぶため、作並−山寺間でED14形を含む直流電気機関車が使われた。
 国鉄は57年、仙台−作並間で変電所の数が少なくて済む全国初の交流電化を導入。ED14形は直流から交流への転換期を支えた。
 4両は譲渡先の近江鉄道で約60年の現役生活を終え、彦根市の近江鉄道ミュージアム鉄道資料館で月1、2日公開されていた。
 同社は「解体時期は未定。譲ってほしいという問い合わせがあれば前向きに考える」と話す。今月16日にお別れイベントを開き、水色に塗られた3両と国鉄時代のぶどう色を再現した1両を公開した。
 昨年9月、車両を見学した愛好者グループ「みちのく鉄道応援団」(仙台市)の幹事高橋敏昭さん(51)は「仙山線は今年、全線開通から80周年を祝ったばかり。車両を沿線に運んで展示することも検討したが、多額の輸送費がネックになる」と頭を抱える。
 50年代に国鉄職員としてED14形の修理を担当した仙台市宮城野区の庄司政勝さん(90)は「けん引力が強く、勾配が急な仙山線に適していた。できれば作並駅周辺で保存してほしい」と願う。

[ED14形]1926年、旧鉄道省が鉄道王国の米国から輸入。東海道線や中央線で貨物列車などをけん引した後、仙山線で50〜66年に使われた。長さ11.2メートル、幅2.7メートル、高さ3.9メートル。重さは約60トン。


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2017年12月23日土曜日


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