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<再処理工場>原燃、完成時期を3年延期 24度目 安全性向上理由に

 日本原燃は22日、使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の完成時期を3年延期し、2021年度上期にすることを明らかにした。同工場などで保安規定違反のトラブルが相次ぎ、原子力規制委員会の新規制基準の適合性審査が10月に中断。工藤健二社長が「18年度上期の完工は厳しい」との認識を示していた。同工場の完成時期の延期は通算24度目。
 隣接するMOX(ウラン・プルトニウム混合酸化物)燃料工場の完成時期も19年度上期から22年度上期に3年延期する。原燃は同日、県と村などに報告した。
 工藤社長は青森市で記者会見し、延期の理由を「一層の安全性向上を図るための工事が必要となった」と説明。トラブルの続出とは関係がないことを繰り返し強調した。
 重大事故時に放射性物質を含んだ蒸気を冷却して回収する設備を新設するほか、緊急時対策所の鉄筋の量を増やし耐震性を向上させる工事などに3年程度を要するという。
 県庁で報告を受けた佐々木郁夫副知事は、工藤社長に「施設全般の安全性の確認と保安活動の実施に全力を傾け、適合性審査の対応に万全を期すよう強く求める」と伝えた。
 再処理工場では昨年8月以降、非常用電源建屋などに雨水の流入が相次いだほか、同社のウラン濃縮工場(六ケ所村)で排気ダクトに腐食による穴やさびが複数見つかり、規制委はどちらも保安規定違反とした。
 原燃は、工場内の全ての装置や設備を年内に確認し、保守管理計画を策定する方針を示しているが、現在まで安全上重要な設備の確認を終えたにとどまっている。
 工藤社長は「もう少し時間がかかるかもしれない」と述べ、年明けにずれ込む可能性を示唆した。

[使用済み核燃料再処理工場]原発で使った核燃料からウランとプルトニウムを取り出す国内初の商業用工場。年間最大800トン処理することができ、プルトニウム8トン(うち4.8トンが核分裂性)を抽出する。処理後は高レベル放射性廃棄物(核のごみ)が出る。1993年に着工し、現時点での建設費は2兆9500億円に上る。運営する日本原燃は大手電力各社などが出資する。


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2017年12月23日土曜日


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