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<再処理工場完成延期>雨水流入など相次ぐトラブル 適合審査中断影響も

 【解説】24回目となる再処理工場の完成延期は、延期期間が過去最長の3年となった。日本原燃は新規制基準に関わる設備投資などで設計、工事の認可に時間を要すると説明したが、非常用電源建屋への雨水流入など相次ぐトラブルで、原子力規制委員会の新規制基準適合性審査が中断されたことの影響とみる方が妥当だ。
 使用済み核燃料の全量再処理を打ち出す国は前回の延期後、国が関与する認可法人「使用済燃料再処理機構」を設立。再処理事業を機構が日本原燃に委託する形に変えたり、事業費の捻出を電力会社に義務付けるなど再処理の継続路線を強めている。
 だが、施設を管理運営する原燃の能力が追い付いていない。再処理工場の完成遅れは原発再稼働を含むサイクル全体の停滞に直結する。各原発で使用済み核燃料を運び出せず、燃料プールが満杯になるからだ。
 原燃の工藤健二社長は再処理事業を「何がなんでもやり遂げる」と強調したが、24回目の延期表明にもはや説得力はない。
 再処理で取り出すプルトニウム利用を日本に認めた日米原子力協定が自動更新される公算が大きくなったことも、延期表明のハードルを下げる要因になった。
 再処理機構は建設から廃止まで再処理事業全体に13.9兆円かかると見積もる。工場の完成はいまだ見通せない。3年に及ぶ延期期間中、事業の実現性に対する根本からの再検討が必要ではないか。
(青森総局・丹野大)


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2017年12月23日土曜日


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