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<18年度予算案決定>福島復興に重点 浜通り地方に新産業を集積

 政府の2018年度当初予算案で、東北関連は官民が誘致を目指す次世代型放射光施設など加速器関連プロジェクトの予算が拡充された。東日本大震災の復興特別会計は総額2兆3593億円となった。17年度当初比12%減で、前年度当初を下回るのは3年連続。岩手、宮城両県の被災地再建がピークを越え、東京電力福島第1原発事故の影響が続く福島県の再生へ重点配分が進む。復興特会の主な内訳は復興庁所管予算1兆6357億円(17年度当初比10%減)震災復興特別交付税財源3252億円(5%減)復興加速化・福島再生予備費3000億円(33%減)。被災自治体の負担総額は6%増の82億円を見込む。11〜20年度に確保した復興財源32兆円のうち18年度当初には約1兆4600億円を充当。残高は3兆円程度となる。

◎福島再生/拠点整備事業費を倍増 

 福島第1原発事故で帰還困難区域となった地域の再生事業を強化する。復興拠点の整備に向け、除染や建物解体を進める「特定復興再生拠点整備事業」として690億円を計上。17年度当初予算から倍増させた。
 同区域での新たなインフラ整備費を含む福島再生加速化交付金として、828億円を手当てした。被災自治体が国に申請した計画に基づき、産業団地などの整備を進める。
 急増したイノシシなどの鳥獣捕獲緊急対策事業として4億円を用意。市街地だけでなく河川敷や農地でも捕獲を強化する。
 除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設(福島県大熊町、双葉町)の整備関連費として、17年度比で約50%増となる2799億円を確保した。施設は今年10月に一部が稼働。18年度は新たに敷地内5カ所に土壌貯蔵施設を完成させ、除染土の搬入量を増大させる。

◎三陸沿岸道などに2090億円

<復興まちづくり>
 「復興のリーディングプロジェクト」と位置付ける三陸沿岸道路(仙台−八戸、359キロ)と横軸の宮古盛岡横断道路、宮城県北高速幹線道路など復興道路の整備に17年度当初比13%減の2090億円を充て、早期全線開通を目指す。
 被災市町村に配る復興交付金は対象事業が進展し、17年度当初の1.5倍に当たる805億円を計上。被災した漁港や海岸堤防、農業施設などの災害復旧は21%減の2064億円、社会資本整備総合交付金(復興枠)は12%減の961億円を確保した。

◎福島・浜通り集積を前進

<産業支援>
 被災企業の支援では、グループ化補助金が17年度当初比29%減の150億円。二重ローン問題を支援する「東日本大震災事業者再生支援機構」(仙台市)に、財務基盤強化のため100億円を追加出資する。
 福島県浜通り地方に新産業を集積させる「福島イノベーション・コースト構想」は33%増の135億円。福島ロボットテストフィールド(南相馬市など)水産試験研究拠点(いわき市)の整備をそれぞれ進める。
 風評被害の払拭(ふっしょく)を目指し、福島県農林水産業の再生総合事業には17年度当初とほぼ同額の47億円を充て、品質や安全性を担保するGAP認証の取得を促す。観光復興関連事業は1億円減の50億円で、東北への訪日外国人旅行者の誘客や交流人口の拡大を図る。

◎県外避難者ケア体制充実

<被災者支援>
 被災者支援総合交付金は17年度当初比5%減の190億円。コミュニティー再生や生活再建相談、子どもへの健康対策に加え、被災者支援の関係者へのサポートに積極的に取り組む。
 避難生活の長期化に伴う心のケア支援体制の構築に29%増の18億円を配分。被災3県にある「心のケアセンター」を福島県双葉郡に新設し、県外避難者の相談体制を充実させる。
 避難指示が解除された浜通り地方で介護サービスが不足する現状を受け、人材確保や施設運営を補助する事業費として5億円を新たに盛り込んだ。


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2017年12月23日土曜日


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