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<あなたに伝えたい>「使命」と受け止め寺を再建

東禅寺の上棟式に臨む俊乗さん=名取市閖上

◎三宅俊乗さん(名取市)から俊昭さん、らん子さんへ

 俊乗さん 父は勉強家で、たくさんの本を読み、大勢の方に仏教を丁寧に説いていました。達筆で、よその寺に書を頼まれるほどの腕前でもありました。多くの檀信徒や他寺に慕われた立派な和尚でした。
 母は明るく快活な性格。だからでしょう、法事の申し込みで檀信徒が来ると、すぐ世間話に花が咲き、長居していきました。今でも「いい奥さんだった」と言われます。
 あの日の3日前、宮城県外に出掛けることになっていたので、出発前に話をしたのが最後になりました。住職になっても勉強することはたくさんあります。まだまだ教わりたいことがいっぱいあったのにと、無念でなりません。
 もう半月もすれば住職を交代する予定でした。勇退後の時間を2人でゆっくり過ごしてほしかった。温泉が好きでしたから自由に行かせてやりたかった。震災がなかったなら、と思わずにいられません。
 津波で全壊状態となった寺の再建が6月に始まり、今月15日に引き渡しを受けました。閖上の復興が遅く、着工までに心が折れそうになる時もありましたが、寺が流されたままでは2人に申し訳ない。再建という大きな使命を与えられたのだと踏ん張りました。
 閖上はハード整備は進みましたが、住民の心にまだ本来の安寧はありません。開かれた寺にし、皆さんが一歩先へと進むお手伝いをしたいと思っています。さらに精進するので、どうか見守っていてください。


◎地域で慕われた住職の父と母

 三宅俊昭さん=当時(85)=、らん子さん=同(77) 名取市閖上の東禅寺の住職夫妻として、長男俊乗さん(58)らと7人暮らしだった。東日本大震災の地震で倒れた墓石の見回りなどをしていて津波に襲われたとみられる。俊昭さんは7日後、らん子さんは9日後に、それぞれ境内などで発見された。


2017年12月24日日曜日


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