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<リンゴ王国 青森から>台湾軸に4万トン目指す

コンテナに積み込まれる台湾向け青森県産リンゴ。関係者の熱意で、八戸港からの輸出が6年ぶりに再開された=13日

◎未来の実(4)輸出

 海外で好評の日本産リンゴ。輸出のけん引役は青森産だ。2016年期(16年9月〜17年8月)の輸出量2万7000トンの9割が青森県産とされる。そして日本からの輸出リンゴの7割を台湾向けが占めている。

<贈答向け高級品>
 「現地のマスコミへの広告掲載、テレビCMなど地道な努力を重ねた結果だ」。青森県りんご対策協議会の高沢至事務局長が解説する。実際、東京電力福島第1原発事故の影響で日本産農作物の輸出が縮小した11年以降、青森県と関係機関は台湾に照準を合わせて販売促進活動を展開した実績がある。
 高沢さんらは年に3度以上も台湾入り。トップセールスをした三村申吾知事は「リンゴ知事」の愛称で呼ばれる。「台湾人は青森と言えばリンゴ! 青森のリンゴは有名。それ以外を知らないほどです」。青森中央学院大(青森市)への留学経験のある台北市在住の李淳益さん(27)の言葉が印象的だ。
 好調に見える輸出事業だが、他国産の2〜3倍高い価格面は課題だ。日本産は春節の贈答品など高級品として扱われる。一方で「ライバルの米国産の品質も上がってきており、贈答品としての地位が代わられつつある」と県りんご対策協は警戒感を強めている。
 県などは富裕層以外への消費拡大に活路を見いだす。今年10月、台湾の業界2位のスーパー「WELCOME」で販促イベントを行った。協議会によると、果汁の多い黄色品種の「トキ」が好評だったという。

<東南アジア視野>
 半面、「台湾は人口が少ないため、輸出量は頭打ち状態になる」(県国際経済課)と指摘され、一辺倒でもいられない。弘前市の輸出業者は9月、輸出再開に向けてモスクワで商談会を開催した。同市のリンゴ製造販売業者は今年から、ベトナムのホーチミン市でスーパーなどの商業施設を展開する公営企業に向けてリンゴを輸出する。
 近隣国の市場を見れば、中国が日本からの農産物の輸入に関する基準を厳格化したため、中国向け輸出が実質停止状態になっている点は懸念材料に映る。
 輸出量4万トン超えを目標に掲げ、県国際経済課はPRに力を入れる。「東南アジアのタイやマレーシアも重点国に位置付ける」。担当者は言葉に力を込めた。

[青森県産リンゴなどの行き先] 2016年産の青森リンゴ約42万1400トンのうち、国内出荷量は27万3950トン。関東地方に約40%、近畿地方に約20%出荷されている。
 青森リンゴを含む国産リンゴは台湾のほか、香港に約20%、中国に約4%、タイやシンガポールなどの東南アジアには約2%輸出されている。


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2017年12月24日日曜日


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