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<回顧17みやぎ>(11)みやぎ総文と全共/結束の力引き継いで

多くの市民が訪れたみやぎ総文の総合開会式
全共宮城大会の審査会場

 全国高校総合文化祭(みやぎ総文)と全国和牛能力共進会(全共)宮城大会。県内であった二つの大きなイベントを取材し、高校生や生産者の中に生まれた新たな結束が心に残った。
 みやぎ総文には県外から延べ3万人以上の高校生が集まった。演劇や合唱などの23部門で奮闘する若者の姿は、県内に爽やかな風を届けてくれた。
 裏方として各会場の運営を支えたのは県内の高校生たちだ。2015年から部門ごとに委員会をつくり、進行の段取りや他県の参加校をもてなす手法の検討を重ねた。
 学校単位での活動が基本の文化部は、他校の生徒と顔を合わせる機会は少ない。みやぎ総文の準備や運営に携わった高校生にとって、共通の分野に打ち込む仲間とのつながりを広げる貴重な場になった。
 仙台市宮城野区の仙台サンプラザであった総合開会式は、高校生有志がプログラムや総合演出を一から考えた。違う学校や学科の生徒たちがさまざま意見をぶつけ合い、形にした経験は一生の財産となるだろう。
 全共宮城大会では県勢が活躍した。出品区の一つで「日本一」の優等賞1席を獲得し、都道府県別の団体表彰でも過去最高の4位入賞。悲願を達成した関係者の目には涙があった。
 生産者団体が全共誘致を目指し、子牛登記1頭につき、500円の協力金を集め始めたのは08年10月。当初は誘致に後ろ向きだった県を動かしたのは、生産者らの思いだ。
 オール宮城で躍進を誓う関係者の熱が徐々に伝わった。質の高い牛を生産するための手法を地域を超えて互いに助言した。本来は商売敵であるはずの生産者同士が共通目標の下でスクラムを組み、結果を出した。
 両大会の会場には一般客が数多く訪れた。それまでなじみの薄かった文化部や畜産農家の活動を市民が身近に感じる機会にもなり、高校生や生産者の意欲、充実感につながっていたように感じた。
 それだけに、高校生が文化活動に打ち込める環境整備や、次回(22年)の全共鹿児島大会に向けた生産基盤強化のための継続的な取り組みを期待したい。両大会を成功に導いた結束が一過性に終われば、地元開催の価値は損なわれる。(報道部・鈴木悠太)

[メモ]みやぎ総文は7月31日〜8月4日、県内10市町で開催。9万4401人が観覧した。全共は9月7〜11日、仙台市宮城野区の夢メッセみやぎを主会場に全国の銘柄牛が体形や肉質などを9部門で競い合い、41万7000人が来場した。どちらも県内初開催。


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2017年12月25日月曜日


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