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<まちかどエッセー・村尾沙織>願い事のかなえ方

[むらお・さおりさん]コラージュアーティスト。岐阜県生まれ。武蔵野美術大視覚伝達デザイン学科卒業。第1回アルビオンアワード金賞受賞。色鮮やかな和紙を切り貼りして描く独自の貼り絵技法で、生命力のある動物を描いている。全国の百貨店で展覧会を開催しながら、オーダーアートにも取り組んでいる。仙台市若林区在住。

 サンタクロースがやって来た。大きな赤いリボンに包まれたプレゼントが、ツリーの下に置いてある。
 三つ上の姉と喜んで包みの袋を開けた。そこには望み通り、ふわふわした犬の縫いぐるみが入っていて、5歳の私はあふれるうれしさで、縫いぐるみをぎゅうっと抱きしめた。
 1カ月前、サンタさんに電話をかけておいた。黒電話の「0」にダイヤルを回すとサンタさんの国につながるよ、と母が教えてくれた。
 恥ずかしがり屋の姉と交互に欲しいものを伝えたら、あとはクリスマスがやってくるまでわくわくしながら待つのが通例だった。
 あれから30年。今では8歳の息子が、カレンダーを前に指折りクリスマスを数えている。
 欲しいものを書いた紙切れを、白く曇った窓ガラスに貼り付けて、サンタさんに見えるようアピールしている。もうすでに、欲しいものが手に入った時の気持ちまで想像して、心底わくわくしているのだから、純粋でほほ笑ましくなる。
 「お利口さんにしていないとサンタさん来ないよ」と私が言うと、「いや、絶対に来てくれるよ。プレゼントを見つけて、わぁーい!って大喜びしている僕を見たら、きっとサンタさんもうれしくなって、来年もまた来てあげようってニコニコするはずだよ」と、満面の笑みで言うものだから参ってしまった。
 今ではよく分かる。サンタクロースの願いはただ一つ。「子どもが喜ぶ顔が見たい」
 いたずらっ子でも利かん坊でも、どんな子どもでも、プレゼントをもらったときの満開の笑顔には、何にも代え難い輝きがある。長いひげのおじいちゃんは、その笑顔が見たくて、いそいそとプレゼントを用意しているのだ。まったく、子どもは何でも知っている。
 「願いごとのかなえ方」というのは、実にシンプルなのかもしれない。届くことを心から信じて楽しみに待ち、届いたらあふれる笑顔で喜びを表現する。以上。
 サンタクロースは案外近くにいる。いつでも願いをかなえようと、側でそっと見守っているのだ。(コラージュアーティスト)


2017年12月25日月曜日


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