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文芸賞を最年長で受賞した若竹さん あふれる遠野弁で「自分を表せた」

遠野弁を交えながら方言や古里への思いを語る若竹さん

 岩手県遠野市出身で、今年の文芸賞(河出書房新社主催)を歴代最年長で受賞した若竹千佐子さん(63)が24日、市図書館で「私と本との出会い」と題したトークイベントに登壇し、市民約100人が耳を傾けた。
 受賞作「おらおらでひとりいぐも」は、リズミカルな遠野弁で夫に先立たれた74歳の「桃子さん」の自己探求を描いた。来年1月に発表される第158回芥川賞の候補になっている。
 8年前に夫を亡くした若竹さんは「悲しみの中にも夫を支え、幸せに見送れたという実感があった。夫の死を新たな人生の始まりと前向きに捉える強い意志を持った女性を描き、自分を励ました」と解説した。
 あふれる遠野弁を「標準語だと着飾った感じ。方言は普段着の自分が表せる」と説明。受賞作の出版により「読者の自由な解釈でいろいろな桃子さんが生まれ、拡散していく。本当にうれしい」と語った。
 小学校の図書室で「おらの本も一冊あればいいな」と思ったことが小説家を志した原点と紹介。「次回作の構想はあるが、言ってしまうと安心して取り組まなくなる」と笑いを誘った。
 古里にも触れ「どんなにいい景色を見ても、遠野の方がいいと思ってしまう。脈々と受け継がれ、自分に染みついたものが後押ししてくれる」と感謝した。


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2017年12月25日月曜日


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