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<原子力施設東北この1年>ミス続き 核燃サイクル停滞(1)

東北の原子力関連施設
東北の原子力関連施設の新規制基準適合性審査 進ちょく状況
建設中の大間原発を視察する世耕弘成経済産業大臣(右)=9月
使用済み核燃料を保管する施設の内部

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で、本格工事や稼働がストップした東北の原子力関連施設にとって、2017年は前進よりも停滞の意味合いが濃い1年だった。核燃サイクルの要を担う使用済み核燃料再処理工場で初歩的なミスが相次ぎ、工場の完成が大幅に遅れる見通しとなったためだ。
 来年は新エネルギー基本計画がまとまるほか、日本に核燃料の再処理を認めた日米原子力協定が期限満期を迎えるなど、東北の各原子力施設の今後を占う日程が控える。震災から6年9カ月が経過した各施設のこの1年を報告する。


◎来年後半着工 厳しく/大間原発 青森県大間町

 2018年後半を目標とする大間原発の安全対策工事の着工について、電源開発(Jパワー)は「厳しくなりつつある」との認識を示す。新規制基準適合性審査は計17回で、まだ序盤の段階。18年の審査合格、24年度の運転開始の目標は維持する。
 同社は、審査に向けた敷地周辺の海底地形の調査を終えた。断層調査では取水口付近を走る「sF−1」断層の延長線上でボーリング調査を実施。断層は発見されず、予定していたトレンチ(掘削溝)調査を見送った。敷地内のボーリング調査は予定の2倍の30本に増やし、年明け後も継続する。
 同じ改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)の東京電力柏崎刈羽原発6、7号機が審査に合格し、大間原発の審査の迅速化に弾みがついた。北海道函館市の市民団体が建設差し止めなどを求めた訴訟は年明けにも函館地裁で判決が出る見込み。


◎適合性審査が大詰め/使用済み核燃料中間貯蔵施設 青森県・むつ市

 リサイクル燃料貯蔵(RFS)がむつ市関根に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設は、2018年後半の操業開始に向けた新規制基準適合性審査が大詰めを迎えている。
 審査の申請時に最大450ガルだった基準地震動を最大620ガルに引き上げ、原子力規制委員会の了承を受けた。基準地震動の増加に伴い新たにクレーンの落下防止工事などを操業までに実施する予定。
 敷地を襲う仮想の最大津波は青森県が想定する津波の2倍に当たる23メートルで、規制委の了承を得た。施設関係の審査は16年中におおむね済んでおり、年明け以降に積み残し部分の説明を終え、まとめに入る見込み。
 ただ、施設は核燃サイクルを前提にしている。このため中核施設である再処理工場(青森県六ケ所村)の完成がつまずけば、操業開始に影響する可能性が大きい。


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2017年12月26日火曜日


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