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<女川原発>避難計画検証、地元の同意…課題山積、再稼働見通せず

女川原発事故に備えた宮城県の訓練で、避難する住民の車の放射線量を測り除染する東北電力の担当者ら=11月23日、登米市

 東北電力が2018年度後半以降の再稼働を目指す女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)を巡る原子力規制委員会の審査は終盤を迎えた。審査に合格しても、原子力災害に備えた住民の広域避難計画の検証や地元同意など課題は山積する。再稼働時期はなお見通せない。
 女川2号機の30キロ圏内の宮城県内7市町には約21万人が暮らす。これまで全自治体が県内33市町村に避難する広域避難計画を策定したほか、12月に女川町、石巻市、東松島市が原発事故を想定した協定を避難先の自治体と結んだ。
 町民の避難先となる栗原市と協定を締結した須田善明女川町長は「大きな一歩」と評価しつつ、「実際に避難となれば段階に応じてやるべきことがたくさん出てくる」と指摘する。
 自力避難できない人をバスで避難させる対応も途上だ。県によると、在宅の避難行動要支援者は7市町に約8000人いる。車など移動手段を持たない人もおり、バス利用者の総数さえ精査できていない。
 ある自治体関係者は「原発事故は地震などが起因する複合災害の可能性が高い。県にはその想定もない」と実効性を懸念する。
 再稼働に同意が必要な「地元」の範囲も意見は分かれる。
 河北新報社が実施した県内35市町村長へのアンケートで、地元の範囲を村井嘉浩知事が主張する「立地する県と女川町、石巻市」と答えた首長は7人。原発30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)内の7市町を地元と見なす回答は14人で最多だった。
 地元の範囲に法的な規定はなく、川勝平太静岡県知事はUPZ内を同意の対象と表明。日本原子力発電が東海第2原発(茨城県)の同意対象を周辺自治体に広げると発表するなど、広範囲の民意をくみ取る動きが表れている。
 10月の宮城県知事選は再稼働反対を訴える新人が立候補したが、4選された村井知事は争点とせず、有権者から「原発にどう向き合うのか分からなかった」との声が聞かれた。
 再稼働の是非について、村井知事は「国や県の有識者検討会の判断を待つ」と繰り返し、地元同意の範囲見直しに慎重な姿勢を崩していない。


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2017年12月27日水曜日


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