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響け!希望の音色 津波被災のビッグバンドが創立25年コンサート「ジャズの灯を消したくない」

躍動感のある演奏で25年目を祝ったスウィングドルフィンズ

 宮城県気仙沼市のジュニアジャズビッグバンド「スウィングドルフィンズ」が今年で創立25年目を迎えた。東日本大震災で楽器や練習場所を失うなど、多くの困難を乗り越えてきた。23日には同市で記念のクリスマスコンサートを開催。響かせた希望の音色に、訪れた市民から大きな拍手が送られた。
 コンサートでは「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」「キャラバン」などのスタンダードナンバーから、ラテンやロックまで15曲を披露。生き生きとした演奏ぶりに会場は沸いた。
 ドルフィンズには現在、小学4年〜高校2年の15人とOG2人の17人が在籍。毎週日曜午後1〜4時、同市の水梨コミュニティセンターなどに集まり練習している。
 学校週5日制導入で休みが増えたことをきっかけに1993年設立。児童・生徒の居場所づくりとともに、音楽を通じて協調性や主体性のある子どもを育てようと、地元のジャズ愛好家らがボランティアで指導に当たってきた。
 震災では当時のメンバーや指導者の多くが被災。練習場所や楽器・楽譜を津波で失うなど、存続が危ぶまれた。
 しかし、国内の支援団体が米国のライブハウスからの寄付を使って楽器を寄贈。避難所での演奏を通じ被災者を励まし、2013年にはジャズの古里、米ニューオーリンズ市で公演した。
 今回は避難所などでの演奏を除いて、震災後に地元で開く初めての単独コンサート。テナーサックス担当の津谷中3年森天音(あまね)さん(14)は「ジャズが大好き。大勢の人に聴いてもらう機会は少ないので、うれしい」と満足そうに話す。
 創設から関わってきた運営委員会会長で中学校教諭の菅野敏夫さん(59)は「気仙沼に音楽文化を根付かせ、音楽好きな子どもを育てようと努力してきた。しかし、まだまだ道半ば」と振り返る。
 少子化や、震災による人口流出もあり、メンバーの確保が課題だ。ドルフィンズは「ジャズの灯を消したくない。気軽に練習の様子を見てもらえれば」と、新入会員を歓迎している。


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2017年12月27日水曜日


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