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<外国人労働者>万が一の手続き迅速化を 仙台の海事代理士、漁船転覆事故で奔走

引き揚げられた第78正栄丸=今年2月、八戸市

 青森県大間町沖で今年2月、八戸市の八戸みなと漁協所属の小型イカ釣り漁船が転覆していたのが発見され、乗組員2人が死亡、インドネシア人船員2人が行方不明となった事故で、元海上保安庁職員の海事代理士秋山満さん(58)=仙台市泉区=が不明者2人の各種手続きや独自の事故調査を手掛けた。外国人労働者が増える中、秋山さんは「万が一に備えた手続きの迅速化が必要」と制度の運用改善を主張する。

 小型イカ釣り漁船「第78正栄丸」は2月9日午前に酒田港を出港して八戸港に向かい、翌10日午後、大間町の沖合で転覆した状態で見つかった。日本人船長と甲板員の2人が遺体で発見され、インドネシア人実習生の船員2人が今も行方不明となっている。
 秋山さんは、船員2人の受け入れ先の石川県漁協門前支所(石川県輪島市)と船長の遺族から依頼を受け、2月に調査を始めた。
 秋山さんは労災認定など各種手続きに奔走。労基署など各機関に掛け合い、インドネシアに2回渡航した。船員遺族に1人当たり約1500万円の保険金を届けることができた。
 事故について、第2管区海上保安本部(塩釜市)は「転覆原因は調査中」と説明するが、秋山さんは独自に調査。当時の大間町沖の気象は平穏で、事故を招く自然現象の大波「三角波」が発生した可能性は「ほとんどない」と指摘する。
 船の左舷に大きな波を数発受けた痕跡があり、秋山さんは「航行中に真横から何らかの強烈な波を受け、大間町沖まで流れ着いた」と推測する。
 11月末に死亡届が受理され、通常は1年以上かかる行方不明者の法的手続きを約9カ月で終えた。2人は在留許可期間が切れて不法滞在として扱われる恐れがあり、手続きを急いだという秋山さんは「役所に任せず、独自に調査したから早かった」と話す。
 秋山さんは1978年に海上保安庁に入庁。2管本部救難課長を務め、2009年3月に退職。14年12月、泉区に海事代理士事務所を開設した。「外国人が安心して日本で働くため、事故対応を素早く可能にする制度の改善が必要だ」と話す。


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2017年12月28日木曜日


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