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<おくりびとロケ地>旧割烹「小幡」改修へ 酒田市、来年度予算に設計費

小幡の文化的価値と改修案について説明する高谷氏

 映画「おくりびと」のロケ地で老朽化が進む山形県酒田市の旧割烹(かっぽう)「小幡(おばた)」について、市は27日、本館が1894(明治27)年の庄内地震に耐えて残るなど、建造物全体が歴史・文化的な価値が高いとする専門家の調査結果を発表した。市は建物を改修し存続させる方針で、2018年度の予算案に設計費を盛り込む方向で調整している。
 市内で開いた市民向け説明会で示した。調査を請け負った建築家の高谷時彦氏が木造2階の本館と鉄筋コンクリート2階地下1階の洋館、土蔵で構成する小幡の構造や文献、写真資料を分析し、建造物としては価値が低いとされてきた小幡の希少性を強調した。
 L字型の本館は高級な部材こそ使われていないが、酒田の町家の変遷が分かる構造だった。庄内地震以前の建物と判明したことで、明治期に板垣退助や志賀直哉ら多くの著名人が泊まった可能性も高くなった。
 映画「おくりびと」の撮影が行われた洋館は、東京の精養軒で修業した料理人を招き本格的なフレンチレストラン(小幡洋食部)として1922年に開業したことも判明。建築的にも垂直性を強調した窓枠としたり、白地に鮮やかな彩色を施したタイルを使うなど、当時としては最先端の手法を用いていたという。
 高谷氏は本館の下屋部分を解体し、耐震フレームで母屋を囲む工法による耐震補強工事を提言。洋館も地下部分にボックス状に鉄筋コンクリート造の壁と床をはめ込む改修案を示した。改修後は土蔵をワインセラーとして、本館と洋館を飲食や市民の交流施設とする利活用策を提案した。
 市は「高谷案」を軸に保存活用を検討する方針で、費用は2億円超を想定している。


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2017年12月28日木曜日


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