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男鹿「なまはげ」担い手いねがぁ〜 実施町内会5割強に減

担い手不足が深刻で存続が危惧されるなまはげ=2015年12月31日、男鹿市北浦安全寺

 男鹿市の男鹿半島で年末にある民俗行事「なまはげ」は近年、少子高齢化による担い手不足が指摘されている。同市などが市内148の町(町内会)を対象に実施した調査の報告書によると、行事をしている町は5割強にまで落ち込み、高齢者がなまはげを務める町もあった。報告書は、国の重要文化財で全国に知られる行事が苦境に立たされている現状を伝えている。

 調査は、市と住民団体「男鹿市菅江真澄研究会」が共同で2015〜16年度に初めて実施。各町に調査票を配布し、行事の実施状況や家への迎え入れ方、主な担い手などを尋ねた。
 報告書によると、15年の大みそかに行事をしたのは79町。実施しなかった69町のうち、16町は昭和期に行事が途絶えた。平成に入って実施されなくなったのは35町あった。
 なまはげは本来、地区の未婚の男性が務める。調査では、慣例を維持できているのは21町で、残る58町内は30〜70代の既婚男性や退職者を中心に行事を実施していることが分かった。帰省中の親族や地区外の住民を参加させていた事例もあり、本来の担い手がいない状況が浮き彫りになった。
 もてなし方も様変わりしつつある。家に上げて酒や料理を振る舞う家が減る一方で、祝儀だけを渡して座敷に入れない家が増えている。家に上げない理由として「なまはげのケデ(わら装束)の掃除が大変」や「高齢世帯は食事の用意などが大きな負担」などが多かった。
 市は観光イベントなどになまはげを出演させたり、実施する町に交付金を支給したりして行事の継続に力を入れる。だが、報告書には「仕事があり、参加が難しい」「子どもがいる世帯が減ってしまい、中断した」など、行事の危機的な状況をうかがい知る回答が寄せられた。
 男鹿市菅江真澄研究会の天野荘平会長(68)は「各町が地理的に離れているため、合同で行事をやるといった連携は難しい。地区の消防団を活用することなども含め、住民主体の議論が必要だ」と指摘する。


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2017年12月29日金曜日


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