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<北漂着船>国に戻れぬ10人の遺骨に読経 男鹿・洞泉寺

北朝鮮出身者とみられる遺骨を前に供養のお経を上げる小嶋住職

 秋田県男鹿市の海岸に11月下旬から今月上旬にかけて遺体で漂着した10人の遺骨が、同市船川港金川にある洞泉寺本堂の一角に安置されている。遺体は北朝鮮から来たとみられる木造船の内部やその周辺で見つかった。「国に帰りたいだろうが、難しいかもしれない」。寺の小嶋良宣住職(62)は複雑な思いを胸に、毎朝読経を上げる。
 男鹿市の海岸では11月26日に8人、今月7日に2人の遺体が見つかった。寺は市の依頼を受け、昭和30年代から身元不明遺体の遺骨を受け入れている。これまでは年間4、5人分ほどだった。小嶋住職は「今までにない多さ」と戸惑う。
 木造船は日本の排他的経済水域(EEZ)内で操業していた可能性が高い。今月上旬、在日朝鮮人関係者を名乗る関東地方の女性から手紙が届いた。「(北朝鮮の)漁業権が中国に売られたため、荒波の日本海に行かなくてはならなかった被害者です」などとつづられ、供養料1万円が同封されていた。
 粗末な造りの船に、小嶋住職は「向こうの漁師はかわいそう」と同情しながらも「日本の漁業者が死活問題だというのも分かる」。
 「遺骨は身内のところに帰るのが一番だろうが、日本にいれば丁寧な供養ができる」。小嶋住職は、国に翻弄(ほんろう)されて流れ着いた遺骨に向かい読経を始めた。いずれ、寺が市に貸している墓地の一角に納骨されるという。


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2017年12月29日金曜日


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