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<薬害C型肝炎>東北でも救済進まず 時間経ち裁判立証が困難に

 薬害C型肝炎の患者救済が進んでいない。全国で1万人以上とされる患者のうち、薬害肝炎救済法に基づく給付金支給は2割程度で、東北でも低調だ。給付金の請求期限は先の特別国会で2018年1月から5年間延長されたが、救済に必要な訴訟での和解の根拠となる汚染血液製剤の使用認定は、時間の経過とともに立証の困難さが増している。

 全国で11月末までに提訴した原告は3196人で、うち給付金を受けたのは2297人。東北訴訟の提訴推移はグラフの通り。20〜90代の男女167人が1970〜92年に血液製剤を投与され、17年提訴の1人を除く全員が既に和解した。提訴数は同法が施行された08年の72人をピークに年々減少し、13年以降は年間0〜3人にとどまる。
 同法の救済対象は、手術や出産の際に血液製剤フィブリノゲンや第9因子製剤の投与が原因でC型肝炎に感染した患者。肝硬変・肝がん患者、死亡患者の遺族には4000万円、慢性肝炎患者に2000万円、未発症の患者に1200万円が支払われる。20年以内に症状が進行した場合は追加支給を受けられる。
 裁判で投与の事実と肝炎との因果関係を立証するにはカルテや医師の証言が必要だが、医師法が定めるカルテ保存期間は5年間で、残っていない場合がほとんどだ。当時の担当医が既に亡くなっていたり、高齢で証言できなかったりし、症状があっても提訴を諦める患者は多い。
 東北弁護団が08年から続ける無料相談電話には、今年11月末までに3500件以上の相談が寄せられた。個別に面談した2260件のうち、提訴に至ったのはわずか7%。東日本大震災の津波で残存カルテが流失し、立証が難しくなったケースも複数あったという。
 法成立から10年となり、問題の風化も懸念される。東北弁護団長の増田祥弁護士(仙台弁護士会)は「医療機関の関心が薄れ始め、問い合わせを迷惑がられることが増えた。本来なら問題のある血液製剤を使った医療現場の責任も問われる。患者救済に改めて積極的に協力することで、責任の一端を担ってほしい」と強調する。
 東北弁護団の無料相談電話は平日午前10時〜午後3時、022(224)1504で受け付けている。

[薬害C型肝炎患者の救済]汚染された血液製剤などでC型肝炎に感染した患者らが2002年10月以降、国と製薬会社に損害賠償を求め、仙台など各地裁に集団提訴。判決の出た5地裁のうち、07年9月の仙台地裁のみ国側勝訴となった。08年1月成立の薬害肝炎救済法は国の責任を認め、同法に基づく訴訟での和解により原告患者に給付金が支払われるようになった。


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2017年12月29日金曜日


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