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ムスリムへ理解深めて 東北大留学生ら活動 多様性尊重する街に

礼拝後に談笑するアダムさん(右)ら東北大イスラム文化協会のメンバー

 イスラム教徒(ムスリム)の東北大留学生らが、教義に従った食事の普及を目指す取り組みや、礼拝場所の整備を要望する行動を通じて多様性の尊重に理解を求めている。宮城県国際化協会によると近年、東南アジアなどムスリム圏からの在留者の増加傾向が続く。留学生は「誰もが心地よく暮らせる街づくりを」と呼び掛ける。
 活動の中心は、東南アジアなどからの留学生約150人でつくる東北大イスラム文化協会。2008年に来日したインドネシア出身の大学院生アダム・バドラ・チャハヤさん(27)が代表を務める。
 留学生の情報交換の場として06年に結成され、アダムさんが16年4月に代表へ就いた後、ムスリム在留者への理解を広める活動や訪日外国人旅行者(インバウンド)の誘致に向けた環境づくりに力を入れ始めた。
 今年6月にはムスリムの食事「ハラール食」を提供する飲食店を増やそうと、仙台市青葉区の市地下鉄東西線国際センター駅で県内の食品加工業者との交流会を初めて開催。約80人が集まり、留学生がハラール対応の牛タンや白石温麺(うーめん)などを味わった。
 ムスリムに欠かせない礼拝の場所を確保する活動にも取り組む。今月11日に10人が県庁を訪れ、礼拝にも使える多目的スペースの整備に対する助成などを求め河端章好副知事に要望書を手渡した。
 同国出身の大学院生アンディ・ホリック・ラマダニさん(28)は「洋服店の試着室で礼拝したという話を聞いたこともある。仙台市内に礼拝場所をもう少し増やしてほしい」と支援を求めた。
 県内にある専用施設は仙台市と大衡村の2カ所。アダムさんは「人が少ない所で礼拝したら警備員に声を掛けられたこともある」と苦い思い出を振り返る。「ムスリムへのネガティブなイメージを払拭(ふっしょく)し、もっと自分たちのことを知ってほしい」と話す。
 県国際化協会によると、県内在留のインドネシア人は659人(16年)で5年前の約3倍に増加。日本政府観光局のまとめではムスリム圏からのインバウンドも伸びており、首都圏だけでなく東北など地方にも足を運ぶようになっている。
 アダムさんは「私たちは訪問先の食事や礼拝場所を事前に調べることが多い。ムスリムが安心して来ることができる仙台になってほしい」と期待する。


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2017年12月30日土曜日


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