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女性が育む10年 仙台・泉の市名坂東町内会

町内会の忘年会。子育て中のママの息抜きや悩み相談の場として機能している=25日、仙台市泉区の市名坂東町内会集会所

 全役員を女性が務める仙台市泉区市名坂の市名坂東町内会(約130世帯)が、発足から10年経過した。同町内会は女性の視点を生かした手作りのコミュニティーづくりを進め、東日本大震災後は子育て支援や防災意識啓発にも力を入れ、活動の裾野を広げている。
 国道4号の東側にある同町内会の地域は2000年以降、住宅が建ち始めた。元々は市名坂野蔵町内会エリアだったが、国道で分断されていたことから、防災上の観点や地域の一体性を考慮し07年12月に独立。翌年春から活動を本格化させた。
 独立に際し「仕事を持つ男性は災害時に地域にいない恐れもある」と、役員は主婦を中心に全て女性が就任。当時、発生が懸念されていた宮城県沖地震に備え、炊き出しや避難訓練のほか、子どもの夜泣き対応や生理用品調達など、女性のニーズをくみ取った避難所の在り方も探ってきた。
 11年3月の大震災では、10年7月に完成した集会所が避難所として機能。避難住民に地元事情に疎い県外出身の子育て中のママが多かったことを教訓に、11年11月には町内会として子育て支援に着手することを決め「ずんだっこ」の活動名で主要事業に位置付けた。
 ずんだっこでは、週1回、集会所を開放し、近隣の団体や施設と連携して節分や七夕、芋煮会、クリスマス、忘年会など季節ごとのイベントを開催するほか、防災体験談紹介も企画。震災直後に3人で始めた活動は年間延べ約1500人が利用する活動に成長した。
 ずんだっこの利用者は県外出身者で、夫の転勤に伴って地域に移住してきた人が大半。「家族以外に話す相手がいなくてつらかった。声を掛けてもらって助かった」「遊び場や病院、育児関連施設のことがまったく分からず、町内会のチラシを見て飛び込んだ」など、町内会が子育てママの駆け込み寺的機能を果たしている様子もうかがえる。
 町内会発足時から会長を務める草貴子さん(57)は「地域の防災は日頃からどれだけ顔を合わせているかが大事」と話し、「ずんだっこの活動もママの息抜き空間を提供することで、いざという時に支え合う環境が育っていくのではないか。今後も型にはまらず、住民に役に立つ町内会を模索していきたい」と話す。


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2017年12月31日日曜日


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