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「アイスモンスター」消滅危機 蔵王の樹氷、温暖化影響で今世紀末までか

消滅が危惧される蔵王山のアイスモンスター=昨年2月(柳沢教授提供)

 宮城、山形両県にまたがる蔵王山(蔵王連峰)の巨大な樹氷「アイスモンスター」が、地球温暖化で今世紀末に姿を消す可能性があるとの調査結果を、全国各地の樹氷に関する資料を研究している山形大学術研究院の柳沢文孝教授(地球化学)が明らかにした。
 柳沢教授は過去の研究論文に加え、古い絵はがきなどの写真数百枚を分析。1920年代から現在まで全国の樹氷分布状況の変遷を地図にまとめた。
 1950年代初頭まで北海道の羊蹄山から長野県の菅平まで広く分布していたアイスモンスターは、60年代には菅平や群馬・長野県境の志賀高原で見られなくなり、70年代には羊蹄山でも消滅。現在は蔵王山や八甲田山など東北の一部でしか観察できない。
 アイスモンスターの縮小が指摘される蔵王山は、樹氷が出現する下限の標高が過去80年で200メートル近く上昇した。今のペースで平均気温上昇が続いた場合、2度上昇する今世紀末ごろには全国で観察できる最後の蔵王山からもアイスモンスターが姿を消すという。
 柳沢教授は「樹氷は環境変化を敏感に反映する。温暖化で観光資源が失われる恐れもある」と話す。
 研究成果をまとめた「樹氷展」が5日から上山市立図書館、20日からは同市の上山城で開かれる。21日には柳沢教授によるギャラリートークもある。


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2018年01月01日月曜日


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