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<全町避難>20歳への手紙 古里は心に 福島・双葉町成人式

タイムカプセルの箱から取り出した手紙を分ける金沢美歩さん(右)。新成人たちは懐かしんだり苦笑いしたりして読んだ

 東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く福島県双葉町の成人式が3日、いわき市のホテルであり、新成人が古里を思いながら決意を新たにした。保護者が避難先を転々としながら大切に保管してきた小学校卒業時のタイムカプセルも開けられ、20歳の自分に宛てた手紙とも再会した。

 新成人71人のうち47人が避難先から集まった。伊沢史朗町長は式辞で「町を再生し、持続させるには若い人材が必要。多くの苦難を乗り越えた皆さんには町への関わりを持ち続けてもらいたい」と期待した。
 新成人は双葉中1年時に被災し、全国各地に避難した。加藤佑規さん(20)と平岩佳那子さん(20)は代表して「古里を忘れず精いっぱい歩んできた。できることで地域に貢献したい」と誓いの言葉を述べた。
 式典後に開封した双葉南小のタイムカプセルは箱をきれいに飾ったため、PTA役員が土に埋めずに保管していた。双葉北小や両校の前の学年が埋めたカプセルは学校敷地の除染が済んでおらず、掘り出せていない。
 保管を任された金沢由美子さん(53)が初めて一時立ち入りした際に自宅から持ち出し、同県棚倉町やいわき市、福島市と転居先に持ち運んだ。娘の美歩さん(20)が自身に宛てた手紙には「一度きりの人生。楽しく生きよう」とあった。
 美歩さんは現在、東京都の大学で看護学を学ぶ。避難後は落ち込む時期もあったが、「経験した自分だからできることがある」と弱者に寄り添う道を志した。
 手紙を見詰める美歩さんは「小学生の自分には、当時思い描いた楽しさとは違うかもしれないが、今の自分は楽しいよと言いたい」と話した。


2018年01月04日木曜日


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