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<全国知事アンケート>福島の被害大きさ再認識 原発事故「正確な情報発信を」

 河北新報社が実施した福島県の視察などに関する全国都道府県知事アンケートでは、視察後の印象の変化や各都道府県の地元住民の福島に対する認識なども聞いた。視察で被害の大きさを再認識した知事が目立ち、東京電力福島第1原発事故の風評払拭(ふっしょく)や風化防止策で「正確な情報発信」「放射能に関する教育の実践」などが挙がった。

 印象の変化は視察経験のある29人に聞いた。グラフのように「少し」も含め、20人が「変わった」と回答。うち半数以上の11人が具体的な変化(複数回答)について「被害が想像以上だった」を選んだ。
 変化内容で「その他」を選び、具体的に記した知事もいた。2014年5月に避難区域などを訪れた平井伸治鳥取県知事は「原発事故への事前の備えがこれまでの想定以上に必要で広範と感じた」と振り返った。
 小池百合子東京都知事は16年11月、沿岸部などを回った。東日本大震災後の衆院議員時代に訪れた時と比較して「光景がかなり変わった。復興は着実に進んでいる一方、帰還できない方が多いという現状を肌で感じた」と記した。
 「支援の必要性を強く感じた」(大沢正明群馬県知事)「報道などと大きな隔たりはなかったが実感が持てた」(米山隆一新潟県知事)などの記述もあった。
 福島の現状が各都道府県の地元住民に十分に伝わっているかどうかは、半数近い21人が「ある程度伝わっている」を選択した一方、9人は「あまり伝わっていない」と答えた。「十分に伝わっている」を選んだ知事はいなかった。
 福島県産の農産物を敬遠するといった風評が払拭されていると思うかどうかは「ある程度は払拭された」が19人で最多。「ほとんど払拭された」は5人、「あまり払拭されていない」は2人だった。
 福島県など地元が取り組むべきだと思う施策(複数回答)は表の通り。「正確な情報発信」(22人)「放射能に関する教育の実践と普及」(17人)「徹底した放射性物質検査」(15人)の順で多かった。
 各都道府県で可能な風評払拭策などは自由に記述してもらった。鈴木英敬三重県知事は「福島の強みを生かした連携」の意向を示し、農業大学校や農業高の交流などを具体例に挙げた。
 上田清司埼玉県知事は「毎年欠かさず福島県を訪問している。復興の進展を実感する一方、新たに『風化』という問題も生じている」と指摘した。


2018年01月04日木曜日


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