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<ベガルタ監督欧蹴記>「勝つ」ために最善を 諦めない姿勢の大切さ学ぶ

バレンシアのクラブハウス前で記念撮影をした渡辺監督(左)

◎スペイン編 サッカーの原点

 J1仙台の渡辺晋監督は今月、スペインの古豪バレンシアを視察した。チームの練習と試合を見て肌で感じたのは、勝利に向け準備段階から最善を尽くすことと、諦めない姿勢の大切さだったという。昨年に引き続き、欧州視察で得たことなどを記してもらった。

 今年も昨年に続きオフシーズンを利用してヨーロッパへ来ることができた。トレーニングや試合がないとはいえ、来季に向けた準備に慌ただしいこの時期。今後のことを思い、快く送り出してくれたクラブ関係者、多大な協力をしてくれたコーディネーターと(スペイン1部)バレンシアの関係者にまずは感謝したい。
 今年は昨年よりも短く、期間は1週間。視察に当たり、どの国に行こうか、どんなクラブを見ようかと考えたが、結論は至ってシンプルだった。それは「週末の試合までのトレーニングを見ることができるクラブ」であるということ。
 それがかなうのであれば、どんな国でも構わない。2部だろうが、3部だろうが関係ない。1週間滞在する中で、どのようにして週末の試合に向かうのか、その空気感は、熱量はどうなのか。チーム戦術やトレーニング方法がどうこうではなく、週末の試合に「勝つ」ためにいかにして臨むのかを肌で感じることが一番の目的だった。アスリートの本能、サッカー人の本質に訴えかけられるものを追い求めて、スペイン南部のバレンシアにやって来た。

<監督自ら鼓舞>
 バレンシアはスペインの古豪。シーズン序盤は好調だったが、ここ数試合は負けが込み、23日のビジャレアルとのダービーマッチは、上位に食い込んでいけるかが問われる重要な一戦だった。そのせいか、いつもとは少し違う流れで1週間を過ごしたとのこと。それでも戦術的な狙い、コンディション管理、そして何より強度と集中力の高いトレーニングはさすがだった。
 トレーニング中、マルセリーノ監督が自ら選手たちを鼓舞し活気をもたらす光景は、週末の試合の重要性を物語るのに十分だった。また、GMの口から頻繁に出ていた言葉が「PARTIDO」。日本語で「試合」を意味するこの言葉は、彼と会話するたびに登場。大事なのは目の前の「PARTIDO」。「試合」でいかにして勝利をつかむか。スペインのサッカーというと、華麗な攻撃のイメージが強い人も多いだろう。しかし、根底にあるのは勝負に対する強いこだわり。そんな姿勢がトレーニングの隅々と、彼らの言葉からビシビシと伝わってきた。

<最後まで戦う>
 23日の試合は残念ながら勝つことができなかった。それでも、最後の最後まで勝利を目指し、勝利を信じ戦い続けた選手たちには大きな拍手が送られていた。「勝つ」ために最善を尽くすこと、そして諦めないこと。サッカーの原点をこれでもかと味わうことができた。
 最後にバレンシアの練習場の壁に書いてあった言葉を記し、来季の我々の決意にしたい。
 「ES MUY DIFICIL VENCER A ALGUIEN QUE NUNCA SE RINDE」
 あえて和訳は伏せるので、みなさんも調べてみてください。


2017年12月30日土曜日


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