広域のニュース

<減反廃止>18年産米、東北模様眺め「目安」手堅く設定

 2018年産から国によるコメの生産調整(減反)が廃止されることを受け、東北各県が生産数量目標に代わって初めて設定した18年産米の「生産の目安」が出そろった。各県が示した目安は17年産目標比で微増か横ばい、微減となり、各産地の出方を探る模様眺めの様相が強まった。
 各県の生産の目安、17年産生産数量目標との比較は表の通り。東北全体の作柄が「平年並み」だった17年産の実績と比べると、数量は約3万7000トン、作付面積は約7800ヘクタール増える計算になる。
 青森、宮城両県は主に業務用米の需要の高まりを重視。青森は卸売業者への聞き取りで17年産の1.5倍となった契約数量を踏まえた。宮城も17年産を上回って推移する全農県本部や各農協などの事前契約見込み数量を反映させた。
 宮城県農林水産部の小島俊夫次長は「確実性の高い部分を加味した。実需者の要望に応え切れていなかった部分もあり、需要に応じた生産の実現に向けて農家へのメッセージになると考えている」と話す。
 秋田県は米価の上昇による需要の減退を懸念する。さらに2000トン程度の増産が可能としながらも、大きな上積みを見送った。県水田総合利用課の担当者は「県産米の引き合いは強いが、需要の落ち込みも考えられる」と慎重に構える。
 福島県は営農再開を後押しするため、東京電力福島第1原発事故で被災した浜通りでの作付けを大幅に増やす一方、主食用米の需要減を考慮し、県全体では「現実的な数字に落ち着かせた」(水田畑作課)。
 各県が目安を手堅く抑えたことで、18年産の需給バランスが大きく崩れる可能性は低いとの見方が強い。
 岩手県の小岩一幸農政担当技監は「18年産のバランスは取れる」と見込みつつ、「19年産以降は他の動きを見ながら練り直す。増産にかじを切る産地が出れば見直しを掛ける」と警戒感をにじませる。
 18年産以降の需給調整を巡っては、全国農業協同組合中央会や日本炊飯協会などが昨年12月21日、民間で需給を議論する全国組織を発足させた。情報共有が目的だが卸売りや外食の業界団体は参加しておらず、実効性には不透明さも残る。
 山形県農林水産部の白田洋一部長は「自県だけが目安を守っても意味はない。守らない生産者や集荷業者が得をすることがないよう、全国的な取り組みが必要だ」と強調する。


関連ページ: 広域 社会

2018年01月05日金曜日


先頭に戻る