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<成人式>自分の進む道を見守って 福祉美容師へ亡き友に決意 宮城・山元

柴田さんの遺影を手に記念撮影する菊地さん(左)

 震災で637人が犠牲になった宮城県山元町。交流・防災拠点「つばめの杜ひだまりホール」であった成人式には99人が臨み、津波にのまれた同級生3人の遺影と共に人生の節目を迎えた。専門学校生の菊地亮恭(りょうすけ)さん(20)=宮城県亘理町=は、親友だった柴田聖也(まさや)さん=当時(13)=の在りし日の姿を胸に出席した。
 「いつも元気で、少年の中の少年という感じだった。一緒に出たかった」
 2人は沿岸部に住み、家が近かった。自転車通学を始めた小学2年から中学1年まで登下校を共にした。内陸部にある山下一小までの通学路は田んぼ道。道草をしてザリガニを捕まえたり、キャッチボールをしたりし、かけがえのない穏やかな時間が流れた。
 山下中で3年生の卒業式があったあの日も一緒に下校し、菊地さんの家で同級生と遊んだ。激しい揺れの後、菊地さんの母親が柴田さんらを自宅や自宅近くに送った。「バイバイ」「またな」。そのやりとりが最後になった。
 柴田さんが亡くなった後、菊地さんは笑うことが極端に減った。亘理高商業科に入り、元々興味のあった美容師を目指そうと考え始めた頃に転機が訪れた。商業科からヘアメークの世界に進むのは異色だ。
 「前向きになるためにも、自分がやりたいことを仕事にしようと思った」。福祉の世界にも関心を持つようになり、体の不自由な人の散髪などをする福祉美容師になることが夢になった。今春の福祉施設就職も決まっている。
 毎年3月11日、柴田さんの家があった場所で手を合わせている。去年までは、あの日を思い出す苦しい時間だった。「今年はちょっとした報告をできると思う」と菊地さん。自分の進む道を見守ってほしい−。そう願っている。


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2018年01月08日月曜日


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