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<成人式>無念かみしめて 遺影抱き出席 古里の復興への貢献誓う 南三陸

成人式の記念撮影のために並ぶ旧戸倉中の卒業生。三浦さんはいつも通り、仲間の真ん中でほほ笑んでいた

 宮城県南三陸町の成人式が町総合体育館であり、旧戸倉中の卒業生17人は東日本大震災で犠牲になった同級生の三浦辰徳さん=当時(13)=の写真を抱いて出席した。成人の日を迎えられずに旅立った仲間の無念を胸に、古里の復興に貢献することを誓った。

 2011年3月11日、震災の津波が戸倉中を襲い、1年生だった三浦さんは避難途中に校庭で巻き込まれた。同校では教員1人も犠牲になった。
 同級生は三浦さんと保育所からずっと同じメンバーで家族も同然。修学旅行や卒業式でも遺影を携え、記念撮影の真ん中にはいつも三浦さんの姿があった。
 同級生の一人、佐々木一磨さん(19)は「成人式も一緒に参加したい」と言い、7日朝に三浦さんの両親から遺影を預かった。母の芳子さん(53)は「息子を忘れないでいてくれてありがたい」と涙ぐんだ。
 三浦さんは「タッツ」と呼ばれ、みんなを笑顔にするムードメーカーだった。小学校から続けた野球は補欠だったが、ノック練習の球出しを引き受けるなど仲間を思いやる気持ちが人一倍強かった。波伝谷地区に伝わる春祈祷の獅子舞に毎年参加し、大人のまねをして踊った。学校が、友人が、地域が大好きだった。
 野球を一緒にした西條一輝さん(20)は「高校まで野球を続け、大会前にはボールに『頑張るから』と書いてタッツの墓前に供えた。いつもそばにいるような気がする」とほほ笑む。
 式の間、遺影を抱えた小山康平さん(19)は教員を目指し、仙台市の大学に通う。「優しいタッツや震災の経験を伝えるために古里に戻ってきたい」と語る。
 三浦さんの父徳義さん(54)は同級生に対し、「目の前で仲間を亡くした彼らにとって、タッツを思い出すのはつらいことかもしれない」とおもんぱかりながら、「これからは息子と作った楽しい思い出も覚えていてほしい」と話した。


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2018年01月08日月曜日


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