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<放射光とILC>仙台誘致の動き加速 経済効果3200億円 次世代ものづくりへ検討大詰め

放射光施設の建設候補地となる東北大青葉山新キャンパスを視察する研究者ら=2017年3月26日

 「次世代型放射光施設」は文部科学省の検討が大詰めを迎え、「国際リニアコライダー(ILC)」は建設費削減の見通しが立った。二つの構想を巡る経過と今後の展開を踏まえながら、それぞれの誘致に取り組む関係者に2018年の展望を聞いた。

 放射光施設は、東北大や東北経済連合会でつくる産学連携組織、一般財団法人光科学イノベーションセンターを中心に、東北大青葉山新キャンパス(仙台市青葉区)への誘致を進めている。次世代のものづくりに向け、国の検討は大詰めを迎えている。
 放射光施設はいわば巨大な顕微鏡。リング型の加速器を光の速さで回る電子が方向を曲げた時に発する光で、ナノレベルの物質解析ができる。国内には既に9カ所あり、「スプリング8」(兵庫県佐用町)は低燃費タイヤを生み出した。
 国や同センターが目指すのは、炭素などの研究に使えて利用価値が高い軟エックス線分野に強みがあり、スプリング8より輝度が100倍ある施設。企業の使いやすさも重視する。
 文部科学省の小委員会は官民共同の整備を提唱し、昨年5月に国の主体候補として量子科学技術研究開発機構(千葉市)を選んだ。量研機構が整備運用計画案を近く公表した後、「民」のパートナーや建設候補地の選定に進むとみられる。
 一方、同センターは昨年4月、JR仙台駅からアクセスが良い青葉山新キャンパスを候補地に選定。建設を後押しするため国内の大手企業に1口5000万円の出資金を募り、これまでに50社近くが応じた。中小企業向けに小口の出資も受け付けている。
 東北大の試算では設置後10年間で経済効果は約3200億円、雇用創出は1万4000人。東北の産業界の技術革新が期待される。


2018年01月11日木曜日


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