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<東北大>β細胞増やす物質特定 血糖下げるインスリン分泌 糖尿病治療に新たな道

 血糖を下げるインスリンを分泌する膵臓のβ細胞を増やす働きがある神経伝達物質を、東北大大学院医学系研究科の今井淳太講師(糖尿病代謝内科学)らの研究グループが特定した。遺伝や高血糖、肥満などによるβ細胞の機能低下や減少は糖尿病になる主な要因の一つとされている。β細胞を増やす物質を見つけたことで、有効な治療法の確立につながる可能性があるという。
 今井講師らは複数のマウスを使った動物実験で、β細胞の遺伝子情報を調べた。脳を経由する神経信号伝達により、細胞を増やす時に複数の関連する遺伝子が働くことが分かった。
 脳から膵臓へと走る神経に、アセチルコリンなど数種類の神経伝達物質があることは既に分かっている。このうち3種類を数通りに組み合わせβ細胞に添加すると、二つのパターンでβ細胞が2〜3倍増えた。
 ヒトは食べ過ぎたり、肥満気味になったりすると、肝臓と脳、膵臓の神経伝達により自然にβ細胞を増やし、血糖値の上昇を防ぐケースがある。今回の研究で、β細胞が増えるメカニズムをより詳しく解明したことになる。
 今井講師は「糖尿病になる仕組みを詳しく理解するとともに、これまでにない治療法の開発につながるはずだ」と話す。
 広島大や東大などの研究者と共同で行い、2017年12月5日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に論文が掲載された。


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2017年12月29日金曜日


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