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<高齢者福祉 東北の現場>宮城 介護ロボ活躍の兆し「かわいい」利用者に笑顔

テレノイドに笑顔で語り掛けるお年寄り=名取市の特別養護老人ホーム「うらやす」

 東北の高齢者福祉の現場で、さまざまな機能を持つ介護ロボットが活用され始めた。国や自治体の補助制度が整い、スタッフの負担軽減や勤務意欲の向上、お年寄りの自立支援など幅広い効果が見込まれている。現場が人手不足で、利活用できる機会が乏しく、導入が進まないと課題を指摘する声もある。(生活文化部・肘井大祐)

 宮城県名取市の特別養護老人ホーム「うらやす」は2017年2月から、ヒト型ロボット「テレノイド」を入居者のコミュニケーション支援として取り入れている。
 体長約50センチ、重さ約2.7キロ。マイクやカメラ、スピーカーを内蔵する。職員が遠隔操作で会話し、口の開閉、うなずくなどの動作もできる。大阪大で開発され、京都の業者が販売している。
 午後の自由時間に月2回、入居者との触れ合いの場を約1時間、設けている。「かわいいね」「また遊びに来てね」。テレノイドを抱いたお年寄りは和やかに声を掛ける。まひした腕を必死に伸ばし、テレノイドの頭をなでようとした入所者がいたという。
 介護支援専門員の橋本麻紀さん(31)は「テレノイドと関わると、入所者は皆、笑顔になる。職員が初めて聞く話をすることもあり、コミュニケーションの幅が広がった」と言う。
 宮城県の勧めを基に、約100万円で購入した。県の補助事業を活用し、複数の関連施設で今後新たに買う予定がある。
 「お年寄りにとってテレノイドは世話をしたくなる存在。介護をする、されるではない新しい関係ができる」と副施設長の尾形志朗さん(38)が指摘する。
 人手がかかるのが悩みの種だ。持ち運び、操作するため最低2人の職員が付き添う。「毎日使いたいが、職員は通常の業務に追われ、あまり手が回らない」と尾形さんは話す。
 仙台市泉区のデイサービス施設「ゆらリズム」は人型ロボット「Pepper(ペッパー)」を主に、音楽リハビリに使っている。
 仙台市内のIT関連業者と共同で専用のアプリを開発し、職員の負担軽減を目的に17年3月から使い始めた。毎月7万円で賃借し、平日の午前と午後に各1時間、活用する。
 高さ約120センチ。童謡や歌謡曲を歌いながら体を動かしたり、曲の解説をしたりする。職員がパソコンやスマートフォンを使って遠隔操作し、会話もできる。
 利用者の小野寺京子さん(85)=泉区=は「先進的ですごい。ロボットがいると楽しい」と話す。
 操作に人手が要るため、使う時間が限られる。副施設長の川島慎一さん(42)は「ペッパーを単体で使うと、数分しか場が持たない。アプリはまだ試作の段階。現場の負担軽減につなげるには、改良が必要になる」と課題を挙げる。

[介護ロボット]「移乗支援」「移動支援」「見守り」などを主な機能とする。ヒト型をはじめ形はさまざまある。「ロボット介護機器」「生活支援ロボット」と呼ぶ場合もある。国は近年、複数の支援制度を設け、大学などによる研究開発が活発になった。通信業者や精密機器メーカー、ベンチャー企業など多様な会社が製造、販売している。


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2018年01月10日水曜日


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