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<高齢者福祉 東北の現場>青森 自立支援にロボ活用 3割近い利用者の要介護度改善

さまざまな機器を使い、リハビリに取り組む「ほほえみ三戸」の利用者=青森県三戸町

 青森県三戸町の老人保健施設「ほほえみ三戸」はロボットを活用する先進施設として全国に知られる。
 施設1階の機能訓練室にさまざまな機械を扱い、操作法を身に付けたお年寄りが集う。
 「来るたびにできることが増えてうれしい。リハビリが楽しみ」。介護保険のサービスを使い週3回通う三田敏子さん(78)=青森県田子町=が語る。
 8年前に脳梗塞を患い、右半身にまひがある。3年前から空気圧で関節を伸縮させる「パワーアシストハンド」で回復を目指す。
 「機械を使う前と今とでは体が全然違う」。ほとんど動かなかった右手の指は文字を書き、包丁でリンゴを切れるまでになった。
 ほほえみ三戸は11年以降、移動支援を中心に機能の異なる製品を次々取り入れた。多くを利用者のリハビリ用に充て、今は十数種類をそろえる。医師の意見を基に、作業療法士や理学療法士が利用者の状態に合うロボットを選ぶ仕組みだ。
 過去に、従来のリハビリで効果が表れなかった利用者がロボットを使い始め、足を動かせるようになったケースがあった。
 「ロボットを入れたら、自分たちは要らなくなる」と初めは導入に慎重だった職員の意識が変わった。「利用者の変化を間近で見て、勉強しよう、やってみようと考えるようになった」。作業療法士の砂庭忍さん(40)が振り返る。
 一般的なロボット導入の目的と幹部が抱く理念は異なるようだ。「介護の負担を軽くするための道具ではなく、利用者の自立支援のために使う」と事務局長の諏訪内三千雄さん(55)は強調する。本格導入後、3割近い利用者の要介護度が改善したという。
 国などの補助を受けず、購入や賃借、維持管理に年間約700万円をかける。「立てなかった人が立ち、歩けない人が歩けるようになるなら、安いもの」。諏訪内さんは言い切った。
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 東北の高齢者福祉の現場で、さまざまな機能を持つ介護ロボットが活用され始めた。国や自治体の補助制度が整い、スタッフの負担軽減や勤務意欲の向上、お年寄りの自立支援など幅広い効果が見込まれている。現場が人手不足で、利活用できる機会が乏しく、導入が進まないと課題を指摘する声もある。(生活文化部・肘井大祐)


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2018年01月10日水曜日


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