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<放射光とILC>北上山地建設に現実味 東北推進協プラン策定へ

フランスで開催されたリニアコライダー国際会議では、東北ILC協議会と岩手県が東北ブースを共同開設した=2017年10月

 「次世代型放射光施設」は文部科学省の検討が大詰めを迎え、「国際リニアコライダー(ILC)」は建設費削減の見通しが立った。二つの構想を巡る経過と今後の展開を踏まえながら、それぞれの誘致に取り組む関係者に2018年の展望を聞いた。

 ILCを巡っては国際将来加速器委員会(ICFA)が昨年11月、加速器の全長31キロを20キロに短縮し、本体の建設費を最大4割削減する新計画案を決めた。候補地の北上山地への建設が現実味を帯びつつあり、東北の産学官でつくる東北ILC推進協議会は誘致活動を強めている。
 ILCは地下に直線加速器を設置し、電子と陽電子を衝突させて宇宙誕生時のビッグバンを再現する。世界の研究者は20年代前半に国際合意を得て、30年前後の稼働を目指す。
 ICFAの短縮決定を受け、文部科学省の有識者会議は今月中に新計画案の妥当性を検証する作業部会を設ける。18年度予算案には建設費削減を目指す日米共同研究に前年度当初の2.4倍となる2億6000万円を計上した。
 実現すれば世界から研究者が集まる国際研究拠点が誕生する。文科省の15年の調査によると、経済効果は建設から20年間で4兆4600億円、雇用創出は25万5000人と見込む。
 東北ILC推進協議会は今年3月、建設、まちづくりなど北上山地周辺の受け入れ態勢のマスタープランをまとめる。加速器関連の基盤技術を持つ企業は東北6県と新潟県に約700事業所あり、18年度は受注に向けた動きを本格化させる。
 昨年10月にフランスで開かれたリニアコライダー国際会議(LCWS)では、協議会共同代表の高橋宏明東北経済連合会名誉会長や鈴木厚人岩手県立大学長らが候補地をアピールした。


2018年01月11日木曜日


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